ミニ・レビュー
小林武史もそうだが、こういうスタイリッシュなロック・ミュージシャンは時に生真面目な印象が残り、思わず気持ちが揺れ動くことは少ない。それでいて彼らの音楽が“感動的”なのは、フォルムの美しさが群を抜いているからだろう。それがよく分かるベスト盤。
ガイドコメント
“LOVE&PEACE”をテーマに、メンバー自身が選曲したコンセプト・ベスト・アルバム。「LADY MADONNA〜憂鬱なるスパイダー〜」「Your Song」「Free World」ほか、代表曲目白押しの超強力盤だ。
収録曲
01Your Song
02Free World
03Everybody needs somebody
04fantastic world
05LADY MADONNA〜憂鬱なるスパイダー〜
06“O”
スタートを待ち切れずにエンジンを噴かしていた車が、合図とともにけたたましく走り飛んでいくような、畳み掛けるスピードとロックの骨太さが肝の高速チューン。3分足らずの短さだが、曲のポテンシャルは高い。
07life goes on
哀愁を滲ませながら流れ行くさまが、目まぐるしく展開する人生と重なるアップ・テンポのカントリー・ナンバー。カウボーイの格好で都会の真ん中を歩いても、なぜかクールにキマってしまうような、デリコ的センスが光る秀作。
08My last fight
09Standing Bird
10Silver dust lane
11Last Smile
12green
13neverland
ビートルズのかの名曲「ミッシェル」を想い起こさせる、叙情溢れるアコースティック・ナンバー。珠玉のメロディをなぞるKUMIのヴォーカルは、レノン/マッカートニーも絶賛した、カレン・カーペンターのそれを彷彿とさせる。
14A DAY FOR YOU
15Everyone、everyone
“Good people!”ポジティヴィティ溢れるフレーズを全身全霊で放つ、LOVE&PEACE炸裂のフォーク・チューン。ジョン&ヨーコの思いをしかと受け継いだ、21世紀版「Give peace a chance」。
16Rosy
なんだかんだいって、生きるって素敵なことだ。過去、現在、未来、重ねられていくすべての日々への愛しさを歌う、フォーキーな人生賛歌。躍動する歌声と、掻き鳴らすギターが相乗し、いいようもないハッピーなグルーヴ感を放つ!