ガイドコメント
HOTEIが今までに発表したオリジナル・アルバム、サウンドトラックの中から厳選されたギター・インスト集。イギリスで先行発売され、今回日本と韓国での発売。映画『KILL BILL』で使われたテーマ曲ほか。
ガイドコメント
映画『キル・ビル』で世界の熱い視線を浴びる布袋が、初のギター・インスト集をリリース。同映画にも使用された『新・仁義なき戦い』のテーマほか、ギタリストとしての一面がうかがえる内容。
収録曲
01BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY/新・仁義なき戦いのテーマ
『新・仁義なき戦い』のテーマとして制作されたが、タランティーノ監督の映画『キル・ビル』のテーマとして使用され有名になった一曲。ギタリストHOTEIの醍醐味が味わえるインスト・ナンバーで、イントロの破壊力は満点。
02KATANA GROOVE
映画『SAMURAI FICTION』の中の一曲。日本太鼓と唸るベース、そのリズムがだんだんと特異なグルーヴを生み出していく摩訶不思議な楽曲構成。プリミティヴな響きを効果的に配し、その隙間を浮遊する電子音が埋めていく。終盤は、ディストーションをきかせた布袋寅泰のギターが徐々に楽曲を支配し、刀のように鋭い閃光を散らしていく。
03JINGI/仁義なき戦いのテーマ
時代劇や任侠ものを中心に数々の映画音楽を手がけた作曲家、津島利章による『仁義なき戦い』のテーマ。TVのバラエティ番組のジングルなどにもよく使われているため、聴けばすぐに「ああ」とわかるだろう。あの不朽の名曲が布袋の手によって、クールなロック・サウンドに生まれ変わった。
04KILL THE TARGET
『新・仁義なき戦い。』に続き、布袋とのコラボレーションが実現した、阪本順治監督のポリティカル・サスペンス映画『KT』のテーマ曲。優しくリリカルなイントロにハードな打ち込みとギターが折り重なり、じわじわと盛り上がっていくサウンド・プロダクションが実にドラマティックだ。
05IMMIGRANT SONG
レッド・ツェッペリンの名曲「移民の歌」のカヴァー。あの有名なギター・リフを中心にして、ヘヴィ・ロック、テクノなどの要素を加えて再構築。古典的なハード・ロック・ナンバーを21世紀のサイバー・パンク・チューンへと生まれ変わらせている。布袋のルーツと2000年代のサウンドがバランスよく溶け合うナンバーだ。
06BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY#2/○○○の世の中
布袋が主演・音楽監督を務めた、阪本順治監督映画『新・仁義なき戦い。』のサウンドトラックの一曲。サントラでのタイトルは「○○○の世の中」。ギター・インスト・アルバム『ELECTRIC SAMURAI』では、インタールード的に使用されている。打ち込みとギターのスリリングな邂逅が楽しめる。
07FROZEN MEMORIES
金大中事件を取り上げた、阪本順治監督映画『KT』のテーマ曲。序盤はバリバリのデジタル・ロックでありながら、刑事ドラマにでも使われそうな、ヒューマンな感触のギター・サウンドが連なるところが非常に面白いインストゥルメンタル。サスペンスフルな映画のストーリーを大いに盛り上げた一曲。
08BELIEVE ME、I'M A LIAR
宇宙空間をさまよっているようなSEからスタートする、ハイブリッド・インストゥルメンタル。アッパー系デジタル・ビートと激烈なギター・リフがガッシリとぶつかり合い、未体験のグルーヴが生まれる。オーセンティックなロック・ミュージックと先鋭的なダンス・サウンドの融合による、まったく新しい音像におぼれてみるべし。
09BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY#3/オトシマエ
阪本順治監督映画『新・仁義なき戦い。』のサウンドトラックに収録されていた楽曲。サントラでのタイトルは「オトシマエ」。ヤクザ・仁侠映画のバックを彩る音楽、というとある程度の先入観を抱いてしまいそうだが、それはあっさりと裏切られる。スタイリッシュ、それでいて重厚なのだ。
10DARK WIND/予感
中野裕之の初監督映画『Samurai fiction』のサウンドトラックに収録されていた楽曲。オープニングで風の吹きぬけるSEが流れるやいなや、布袋の怒涛の泣きのギターが展開される。映画では敵の浪人役で出演していた布袋だが、聴いているうちに、その映像が蘇ってくるに違いない。
11SPACE COWBOY
96年のアルバム、『King&Queen』収録のインストゥルメンタル・ナンバー。馬のいななき、銃声、しなるムチの音などのいかにもなSEが飛び交う中、めくるめく哀愁のギター・サウンドが……。布袋ならではの、エクスペリメンタルな未来型ウェスタンに仕上がっている。
12METROPOLIS
その名も“メトロポリス”というスタジオで録音されたという、91年のアルバム『GUITARHYTHM』収録のインストゥルメンタル。テンポやサウンド・スタイルがめまぐるしく変化していく複雑な構成を持った曲で、布袋の実験精神が垣間見られる。SF映画のサウンドトラックにいいかも。
13HOWLING/ハウリング
2003年リリースのアルバム『DORBERMAN』のラストに収録されていたインストゥルメンタル・ナンバー。一聴すれば、きっとこの「HOWLING」というタイトルに納得してもらえることだろう。何しろ、ギターが唸りまくっているのだ。哀切極まりないストリングスも聴きもの。
14FETISH
布袋寅泰初のギター・インスト・アルバム『ELECTRIC SAMURAI』のラストは、2000年のアルバム『fetish』のやはりラストを飾っていたこの曲で。レコーディングが行なわれたロンドンのミュージシャンによるホーン・セクションが華麗に舞う、ラテン調ナンバー。