ミニ・レビュー
19枚目となるフル・アルバム。この声が出てくればB'z、という感じではあるのだが、稲葉のソロ活動がフィードバックされたのか、アダルトなポップ色も散りばめる。その一方でシンプルにロックンロールするナンバーも。二人のルーツのテイストがさまざまに入り混じった表題曲は圧巻のロック。
ガイドコメント
約3年8ヵ月ぶりとなる、2015年3月4日リリースのアルバム。シングル「有頂天」をはじめ、NHKドラマ『ダークスーツ』主題歌「Exit To The Sun」、「スミノフアイス」CMソング「NO EXCUSE」など話題曲満載の全10曲。
収録曲
〈SIDE A〉
01Las Vegas
“Red Bull Air Race Chiba 2015”のテーマ・ソングとなったロック・チューン。タイトルにもなったラスヴェガスがよく似合うようなスケールの大きなスタジアム・ロック感が魅力で、軽快に響くギターの爽快感が抜群だ。
02有頂天
日本テレビ系ドラマ『学校のカイダン』の主題歌となった51枚目のシングル。迫力のあるロック・サウンドを軸としながら、サビではメロディアスに展開するなど、自由自在なアレンジが魅力。SNS社会をチクリと風刺しつつ、強くて弱い男心を歌い上げる。
03Exit To The Sun
流麗なストリングスで幕を開けるNHKドラマ『ダークスーツ』主題歌。アコギと歌のシンプルな導入からピアノやストリングスが参加、エンディングへ向けて大きなクレッシェンドを描く王道バラードで、エモーショナルな稲葉のヴォーカルが染みる。
04NO EXCUSE
KIRIN「スミノフアイス」のCMソングとなったアッパーなロックンロール・ナンバー。軽快なギター・リフを軸にしたシンプルな構成のもと、名うてのバンド・メンバーとのセッションをスタジオで楽しむかのような勢いがたまらない。
05アマリニモ
“流れてるとても古い歌聞いてしまったよ”という歌詞に呼応してか、オールディーズ風のギター・リフとピアノがアレンジのキーとなったミディアム・テンポのロック・チューン。歌詞をリフレインさせるキャッチーなサビのフレーズが耳に残る。
06EPIC DAY
19枚目のアルバムのタイトル曲は、ディープ・ パープル「バーン(紫の炎)」を思わせるギター・リフを、サビのメロディも含めて全編に用いたド迫力のロック・チューン。ギターやキーボードがソロ合戦を繰り広げる間奏も、かえって新鮮。
07Classmate
“転校生だと紹介されて目の前に君は立ってた”という映画のような歌い出しから、青春時代の恋模様をしっとりと歌い上げるバラード。メロディとストーリーの美しさを最大限に引き立てる、主張しすぎないアレンジも見事の一言。
08Black Coffee
苦くて渋いブラックコーヒーをモチーフに、くだらない誤解をきっかけに迎えてしまった恋人との別れを歌ったロック・チューン。シンプルな作風で、80's風のエフェクトをかけたギターの音色はちょっぴり懐かしさも感じさせる。
09君を気にしない日など
アコースティック・ギターやストリングスを中心とした心温まるサウンドが心地良いミディアム・バラード。出会いたての熱もとれ、大切な人と送る落ち着いた日々。素っ気ない人間だと思われているかもしれないけれど、”手を繋ぎたいのは僕の方”だとサラッという姿にキュンとくる。
10Man Of The Match
ヴォーカルにふわふわとしたエフェクトをかけた酩酊感たっぷりのオープニングに意表を突かれるブルース・ロック風のナンバー。“コレデイイノダ”と繰り返すサビが印象的で、一気にジャズに展開するギター・ソロなど遊び心満載だ。