ミニ・レビュー
19世紀末から20世紀初めに名を馳せた名ヴァイオリニスト、イザイが、1910年代に残した歴史的録音。当世を風靡し次の世代に影響を与えたというその技の魅せ方、艶の利かせ方、気ままなほどに予測不能な隔世の音の姿ではあるが、凛としたヒラメキが随所にあって、時に強く情動のツボに働きかけてくる。
ガイドコメント
1912年から1914年にかけてコロムビア・レーベルに吹き込んだ、イザイのアコースティック録音(電気録音の前)の全貌を収録。フランコ=ベルギー楽派の大立者による、ヴァイオリン・ファン必聴の歴史的録音だ。
収録曲
01ハンガリー舞曲第5番嬰ヘ短調 (ブラームス/ヨアヒム編)
02華麗なる小品〜第10番「スケルツォ・ワルツ」 (シャブリエ/レッフラー編)
03ユーモレスク変ト短調op.101-7 (ドヴォルザーク/クライスラー編)
04子守歌op.16 (フォーレ)
05ウィーン奇想曲op.2 (クライスラー)
06ヴァイオリン協奏曲ホ短調op.64〜第3楽章 (メンデルスゾーン)
07アヴェ・マリアD.839 (シューベルト/ヨアヒム編)
08夕べの歌op.85-12 (シューマン/ヨアヒム編)
09ロンディーノop.32-2 (ヴュータン)
10アルバムの綴りハ長調 (ワーグナー/ヴィルヘルミ編)
11楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」〜優勝の歌 (ワーグナー/ヴィルヘルミ編)
12マズルカ ト長調op.19-1「オベルタス」 (ヴィエニャフスキ)
13マズルカ ニ長調op.19-2「旅芸人」 (ヴィエニャフスキ)
14マズルカ第3番ロ短調op.11-3「遠い過去」 (イザイ)
15子供の夢op.14 (イザイ)
16楽しい行進曲 (シャブリエ)
17バレエ音楽「ナイラ」〜間奏曲 (ドリーブ)
18歌劇「ヴィラールの竜騎兵」序曲 (マイヤール)
19歌劇「ル・シッド」〜ナヴァラの娘 (マスネ)
演奏
(1)〜(15)ウジェーヌ・イザイ(VN) カミーユ・ドクリューズ(P) (16)〜(19)ウジェーヌ・イザイ指揮 シンシナティ交響楽団