ミニ・レビュー
アルバムのタイトルは『ファンタジー』。バロックから近代までの、イマジネーションの閃きを綴った曲が集められている。それを躁と鬱の対比と捉えた場合、小菅の演奏は鬱よりも躁に美質が光る、いわば“前向きのファンタジー”。とても健康的である。
ガイドコメント
バッハやファリャなどの幻想曲を中心に集めた、小菅優のアルバム。多様な様式に敏感に反応し、ラフマニノフやファリャでは新境地を披露している。またひとつ大きくなった彼女の姿が垣間見られるようだ。
収録曲
01幻想曲ハ短調BWV919 (J.S.バッハ)
02幻想曲イ短調BWV922 (J.S.バッハ)
03幻想曲ニ短調K.397 (モーツァルト)
04幻想曲ハ長調Hob.17-4 (ハイドン)
05幻想曲ト短調op.77 (ベートーヴェン)
06幻想曲ハ長調D.605A (グラーツの幻想曲) (シューベルト)
07幻想曲ヘ短調op.49 (ショパン)
08幻想的小品第1番ト短調 (ラフマニノフ)
09フーガ ニ短調 (ラフマニノフ)
10ベティカ幻想曲 (アンダルシア幻想曲) (ファリャ)