ミニ・レビュー
2005年9月に解散したDo As Infinityのヴォーカリスト、伴都美子による初のソロ・アルバム。ギター・ポップ、ジャズからフォーキーなナンバーまで、穏やかなイメージの楽曲がラインナップされている。凛とした強さを秘めたヴォーカリゼーションは、やはり魅力的。
ガイドコメント
元Do As Infinityのヴォーカルの1stソロ・アルバム。ドラマ『スローダンス』のサントラに収録された「Hold Me...」をはじめ、Do As〜とは一味違う魅力を発揮した力作。やはり彼女の歌には説得力がある。
収録曲
01farewell
ソロ・デビュー・アルバム『FAREWELL』のオープニング・トラック。冒頭から哀愁漂う二胡を奏でるのは、世界的に注目される二胡奏者ウェイウェイ・ウー。別れの深い悲しみを歌い上げた、涙を誘うバラード・ナンバーだ。
02morning glory
朝の訪れとともに凛と咲くアサガオのように強くなりたいと歌うミディアム・バラード。だんだんと明るくなる夜明けを思わせるストリングス・アレンジと柔らかく澄んだギターの音色が絡み合う、希望に満ち溢れたナンバーだ。
03うらら。
迷い立ち止まっていた昨日と未来への光を見つけ、走り出した今を歌ったアップ・テンポのポジティヴ・ソング。爽やかな風が吹き抜けるようなピアノのグリッサンドとフルートの弾むメロディ・ラインが印象的。希望と勇気を与えてくれる一曲だ。
04Essence
ヴィブラートとスライドを使った揺らめくエレキ・ギターの音色が印象的なオープニング。さまよう想いを綴った詞を悩ましく歌い上げるロック・テイストなナンバー。ソロ・デビュー・アルバム『FAREWELL』の中でも一風変わった曲調で存在感を発揮する。
05horoscope
WOWOWドラマ『アウトリミット』の主題歌。しっとりとした温もり溢れるピアノのハーモニーにのせて、愛しい人への募る想いを綴ったスロー・バラード。シンプルな編成のバック・ミュージックに凛と映える澄んだ歌声が心を打つ、珠玉のラブ・ソング。
06complacence
「チッ、チッ……」と、時を刻む秒針を思わせる音色で始まるロック・チューン。自分の告げた別れについて葛藤しながらも、自己満足でしかないが相手が笑顔でいることを願う。切なく、そして力強さを感じるナンバー。
07鵺の鳴く夜
NHK木曜時代劇『柳生十衛七番勝負 島原の乱』の主題歌。鵺の不気味な鳴き声が、大切な人への届かぬ想いに拍車をかける切ない一曲。随所に聴こえる篠笛の物悲しい音と4ビートの4拍目のないリズムを繰り返すドラムが、夜の暗闇の深さを思わせ不安を煽る。
08HOLY PLANET
明るく光に満ちた世界へといざなう心温まるスロー・バラード・ナンバー。「愛とはいのちの答えでしょう?」と問う歌詞に、思わず共感。世界が愛と希望に溢れることを願う、透明感のある歌声が胸を打つ。
09Before Sunset
街が橙色に染まる黄昏時の、物悲しさと懐かしさが入り混じる心境を歌った心温まるナンバー。ドレスを身にまとい、3拍子のゆったりとしたワルツのリズムにのせて、くるくると踊る光景が目に浮かぶよう。オルガンの柔らかい音が曲全体を優しく包み込む。
10Hold Me...
CX系ドラマ『スローダンス』の挿入歌。ジャズ風の曲調で愛しい人を想う甘い世界へと誘うようなピアノがベースに絡み、艶っぽくしっとりと歌い上げる。全体にウェット感たっぷりかと思いきや、サビは裏拍にアクセントのある軽やかでメリハリのある一曲だ。
11A Dream Is a Wish Your Heart Makes
1stアルバム『FAREWELL』のボーナス・トラック。『シンデレラ・オリジナル・サントラ・スペシャルエディション』にも収録され、壮大なストリングスの音色と随所に軽やかなフルートの音色が配色される、ほのぼのとした心地良いナンバーだ。