ミニ・レビュー
完全復活したブリトニーの通算7作目。ドクター・ルーク&マックス・マーティンを中心に、ブラッドシャイ&アヴァント、スターゲイトらヒット・メイカーが多数参画し、トレンド感たっぷりの刺激的でエレクトロ・ダンス・アルバムに仕上がった。どんな曲でも乗りこなすエロなロリ声、最高。★
ガイドコメント
ポップ・アイコンとして輝かしい存在感を放ち続けるブリトニー・スピアーズの通算7枚目のアルバム。ドクター・ルークとマックス・マーティンによる「ホールド・イット・アゲインスト・ミー」をはじめ、クールでセンスあふれるナンバーが並ぶ。
収録曲
01TILL THE WORLD ENDS
約2年4ヵ月ぶり、通算7枚目のアルバム『ファム・ファタール』の冒頭曲。KE$HAがブリトニーがツアーで飛び回っているのをイメージして書いた、ダンスフロアの熱気と興奮が伝わってくるようなホットなナンバーだ。
02HOLD IT AGAINST ME
緊張感に満ちたリズムを刻む重低音とセクシーなシャウトが繰り返される刺激的なダンス・チューン。“もし〈その体に抱かれたい〉って言えばあたしを抱きしめてくれる?」と目当ての男性に問いかける、艶やかな歌詞にドッキリ。
03INSIDE OUT
スロー・テンポのビートを刻む重低音が心臓の音かと思わせる、シリアスかつ緊張感あふれるR&B/ポップ・ソング。別れを言いにきた恋人と離れたくない……。そんな気持ちの女性の心情を繊細に描いた歌詞が切なくて哀しい。
04I WANNA GO
ヴォコーダーを使ったサイバーなヴォーカルとアップ・テンポのダンス・サウンドに思わずテンションがあがるポップ・チューン。“最後まで行きたい 内側の獣を今夜見せて”と繰り返すセクシーなヴォーカルがたまらない。
05HOW I ROLL
2004年リリースのシングル「トキシック」以来、ブリトニーの重要なスタッフであるブラッドシャイによる楽曲。まったく力まずに淡々としたブリトニーの歌声とユーモアあふれる美しいテクノ・サウンドが妙にクセになる。
06(DROP DEAD) BEAUTIFUL
当時無名だったLAの女性ラップ・デュオ、ザ・バングズのメンバー、サビをフィーチャーしたダンス・チューン。“すごくステキな人をみつけた!”という女性のドキドキやワクワクを詰め込んだ歌詞に胸がいっぱいになる。
07SEAL IT WITH A KISS
“〈ただの友達〉って ちょっぴりウソね デートのフリしてる間も あたしの体は火照ってる”と歌う、セクシーなダンス・チューン。募る思いをため息交じりにささやくように歌う美声の魅力に、酔いしれること間違いなし。
08BIG FAT BASS
ウィル・アイ・アム(ブラック・アイド・ピーズ)が作&プロデュース、ラップや演奏までを務め、初コラボを果たした楽曲。アルバム『ファム・ファタール』収録曲中では音数少なめの、自分をソプラノに、相手をベースに例えたセクシーすぎる歌詞のナンバーだ。
09TROUBLE FOR ME
タイオ・クルーズ「ブレイク・ユア・ハート」で名を上げたフレイザー・T・スミスが作・プロデュースを手がけたナンバー。危険な香りのする男性に惹かれてしまう女性の、好奇心と不安が入り混じった心境をみごとに描いている。
10TRIP TO YOUR HEART
大好きな人を思い切り愛することの喜びを歌ったエレクトロなミディアム・ソング。ヴォコーダーを駆使してこれでもかとばかりに加工した、切なさをたたえた艶やかなヴォーカルが機械的でもあり温もりもあり、不思議な印象を残す。
11GASOLINE
セクシーで力強く、危険でミステリアス、クールで自信に満ちあふれた女性――アルバム『ファム・ファタール』のタイトルを、こうブリトニーは解釈しているが、まさにこの楽曲の歌詞に登場する女性もそう。自由気ままに振り舞うヴォーカルが魅力的。
12CRIMINAL
トライバルなエッセンスをちりばめた哀愁漂うサウンドが印象的な、アルバム『ファム・ファタール』収録曲中でも異色のナンバー。とはいえ、歌詞の内容はほかの収録曲と同じように恋がテーマ。ダメ男にどうしても惹かれてしまう女性の思いが綴られている。
13UP N' DOWN
ヴォコーダーを駆使してこれでもかとばかりに加工したヴォーカルが、機械的ゆえにやたらセクシーで挑発的に響くハウス・チューン。艶やかな歌詞、そして“アップ・アンド・ダウン”というタイトルからも、そのセクシーな理由は一目瞭然だ。
14HE ABOUT TO LOSE ME
恋人がいながら、ステキな人に出会ってしまい手を繋いでいる……。罪悪感と同時に、一緒にいながら気持ちがわからない恋人のことを切なく思う、複雑な乙女心を綴ったラヴ・ソングだ。シリアスかつエモーショナルなヴォーカルに心を奪われる。
15SELFISH
“今夜のわたしはちょっぴりわがまま”と繰り返す、自由奔放な“小悪魔”な女を演じる女性の一途でセクシーな思いを込めたダンス・チューン。ベンツの音を表現した“ブーンブーン”という歌詞がキュートなアクセントになっている。
16DON'T KEEP ME WAITING
徹頭徹尾アゲアゲで踊れるアルバム『ファム・ファタール』の最後を飾るにふさわしい、疾走感あふれる壮大でダンサブルなナンバー。好きな人に早く会いたいという、はやる気持ちを綴った歌詞と高揚感を煽るスピーディなサウンドが絶妙に絡み合っている。
17SCARY
タイオ・クルーズ「ブレイク・ユア・ハート」で名を上げたフレイザー・T・スミスが作・プロデュースを手がけた、アルバム『ファム・ファタール』国内盤のみボーナス・トラック。アップ・テンポのビートと爽快なメロディ、切なくもキュートな歌詞がクセになる。