ミニ・レビュー
15作目のオリジナル・アルバム。これだけいろんな音楽があふれるなか、あみん時代から基本的に変わらぬまっすぐな姿勢の音楽が、とにかくすごいと思う。世の流れに関係なく貫くストロングな歌。荻田光雄が大半を手がけたアレンジもいい意味での時代錯誤で良し。
ガイドコメント
2005年にソロ・デビュー20周年を迎えた、岡村孝子の通算15枚目となるオリジナル・アルバム。本作では24年ぶりとなる元パートナーであった、あみんの加藤晴子がコーラスで参加しているのも話題だ。2人のコーラスが聴けるのもファンには嬉しい。
収録曲
01四つ葉のクローバー
ぐっと視界が開けていくようなイントロから、くっきりとした親しみやすいメロディを聴かせる。感謝の気持ちにあふれた言葉にキーボードが溶け合い、小刻みなリズムが心地良い風や太陽の光を感じさせる。春にピッタリ合う曲。
02銀色の少女
さだまさし作詞による、年老いても心の中の“少女”を大切に守っていくという歌詞が、穏やかなメロディによって優しく届けられる。元あみんの加藤晴子がコーラスで参加。“銀色の髪の少女”という表現が象徴的に響く。
03夢見る瞳
スティール・ドラムの音色がトロピカルな雰囲気を醸し出す、夏にぴったりのナンバー。カリビアン風味の軽やかなリズムと可愛らしいメロディに誘われて、“夢見る瞳”の子供たちと一緒に踊りだしたくなるような曲。
04Tomorrow
そよ風のような爽やかなアレンジに乗せて、明日へ向かう気持ちを綴った歌詞を一語一語大切にしながら歌い上げる。元あみんの加藤晴子によるコーラスが、いつも誰かが寄り添ってくれているような安心感を与えてくれる。
05晩春
ノスタルジックな雰囲気と洗練された都会の空気が入り混じったサウンドに乗せて、旅立ちの日やそれを振り返っている今の心境を歌う。シンプルなメロディ構成によって、自分の原点や初心を取り戻させてくれる曲。
06フックエンド・マナーの丘 (Album Version)
映画『逆境ナイン』の主題歌「夢をあきらめないで」のカップリングのアルバム・ヴァージョン。ハミングのようなコーラスが、輝いていた思い出を優しく包み込み、そっと心を撫でていくようだ。
07以心伝心
80年代を思わせるダンサブルなサウンドに、ゆったりとした歌声が重なった、軽やかなポップ・チューン。チャーミングなメロディ・ラインから、スキップしながら魔法をかけていくようなイメージが浮かんでくる。
08聖域〜Sanctuary〜 (Album Version)
「春色のメロディー」のカップリングのアルバム・ヴァージョン。ストリングスをメインにしたアレンジによって、透き通るような神聖さが漂う。岡村孝子自身による幻想的なコーラスがまろやかに響きわたるナンバー。
09暁の空
これまでの道のりを振り返りつつ、“もう一度踏みだそう”と歌うバラード。朝日が昇っていく光景が浮かんでくる爽快なサウンドが希望を感じさせ、ドラマティックで地に足の着いたメロディが、静かな情熱を与えてくれる。
10永遠の夏
弾むようなリズムが陽気な気分にさせてくれる、“夏”を歌ったナンバー。サーフっぽいギターの音色が、海や潮風といった夏の情景を運んでくる。歯切れの良いメロディと歌声から、夏特有の開放感が伝わってくる。