ミニ・レビュー
超有名ではなくてもこの人の音楽にはハマるかも。そんな可能性を秘めた作曲家がディーリアス。英国近代音楽と相性の良さを感じる聴き手にはぜひお薦め。一見茫洋としてつかみどころがないが、一度心に棲みつくと離れない美にあふれている。管弦楽曲からオペラまで、このハイライト盤で幸福な出会いを。
ガイドコメント
晩年のディーリアスの代筆を務めた作曲家のフェンビーによって書かれた「伝記」の、日本での出版とのタイアップ企画。そのフェンビーが補作した珍しい作品も収録している。ディーリアス入門として“ベスト”なアルバム。
収録曲
ディーリアス:
01春はじめてのカッコウを聞いて
02歌劇「コアンガ」〜ラ・カリンダ (フェンビー編)
03「人生のミサ」第2部〜「登ってこい!さあ、登るのだ」
04夏の夜、水の上にて歌える〜ゆっくりと、しかしだれることがないように/楽しげに、しかし早くならずに
05「フェニモアとゲルダ」間奏曲 (フェンビー編)
06歌劇「村のロメオとジュリエット」〜行こう、私のブレンツェン/間奏曲「楽園への道」
07去りゆくつばめ (フェンビー編)
08ヴァイオリン・ソナタ第3番〜第2楽章
09「告別の歌」〜なにか大きな鷲のくちばしの上にいるかのように佇んで
10夏の歌
11ブリッグの定期市 (イングランド民謡) (パーシー・グレインジャー編)
12弦楽のためのセレナーデ (ディーリアスの60回目の誕生日のために) (ピーター・ウォーロック)
演奏
(1)(2)(5)ヴァーノン・ハンドリー指揮 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 (3)チャールズ・グローヴズ指揮 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 ロンドン・フィルハーモニー合唱団 ヘザー・ハーパー(S) ヘレン・ウォッツ(A) ロバート・ティアー(T) (6)メレディス・デイヴィス指揮 ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団 ジョン・オールディス合唱団 エリザベス・ハーウッド(S) ロバート・ティアー(T) (7)エリック・フェンビー指揮 ボーンマス・シンフォニエッタ (8)ユーディ・メニューイン(VN) エリック・フェンビー(P) (9)マルコム・サージェント指揮 ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団 ロイヤル・コラール・ソサエティ (10)チャールズ・グローヴズ指揮 ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団 (11)スティーヴン・レイトン指揮 ポリフォニー イアン・ボストリッジ(T) (12)ノーマン・デル・マー指揮 ボーンマス・シンフォニエッタ