ガイドコメント
ショーン・レノンの約8年ぶりのアルバムは、そのアーティスト性と作品のクオリティがさらにアップした充実作。リンジー・ローハン、デヴォン・アオキらが参加した、超豪華な全曲分PV収録のDVD付き。
収録曲
[Disc 1]
01DEAD MEAT
親友であり、恋敵であった友を事故で亡くしたショーン。その複雑な心の傷をモチーフにした、あまりに哀しく、そして美しいバラード。クラシカルな旋律と物憂げな歌声が溶け合ったサウンドは、もはや哀しみを通り越した恍惚の世界だ。
02WAIT FOR ME
『リボルバー』あたりに収まっていても不思議ではない、極めてビートリッシュなアコースティック・バラード。哀愁帯びたその歌声は、切ない恋心を歌うときのジョンそのもの。父親の偉業への、息子からの真っ直ぐな回答といえよう。
03PARACHUTE
愛に身を滅ぼしていくその果てに、死の不吉な香りが漂うメランコリックなスロー・ナンバー。メジャーとマイナーが溶け合うなんとも言えぬ物憂げな美しさのメロディに、ぞっとするような寓話。そのギリギリのバランス感覚は圧巻だ。
04FRIENDLY FIRE
親友と恋人、両者の裏切りが重なった三角関係。その果ての親友の死。壮絶な苦しみの果ての結晶といえるアコースティック・バラード。ビートルズの「ミッシェル」をよりビターにしたような、物憂い美しさを湛えた珠玉作だ。
05SPECTACLE
愛と友情を同時に裏切られた、壮絶な虚無感。その果てからすべてを見渡すかのような、スケール感あふれる感動のアコースティック・チューン。穏やかなオーラを放つ悟りにも似た歌声は、晩年のジョンのそれと錯覚するほどである。
06TOMORROW
哀しい失恋を、なんともロマンティックに描いたスウィート&ビターなバラード・ナンバー。スタンダードの父、コール・ポーターを意識したという、フランク・シナトラのレコードに収まっていそうな古き良きアメリカの香りが立ち昇っている。
07ON AGAIN,OFF AGAIN
「愛とは、海のごとく常に変化し続けるもの」というちょっぴりビターな恋愛訓。凪のように穏やかなアコースティック・サウンドに、静と動、メジャーとマイナーなど、人生の起伏をさりげなく描き込んだ、聴くほどにその匠の技が光る逸品。
08HEADLIGHTS
心穏やかに生きよう。人生とは、ただゆっくりと死に向かうだけのことなのだから。悟りにも似たリリックとあまりに瑞々しいサウンドに心打たれる、珠玉のアコースティック・ナンバー。一日の終わりや祈りのひとときに思い出したい名曲。
09WOULD I BE THE ONE
マーク・ボランの未完成曲が遂に蘇りました! と思わずにはいられない奇跡のカヴァー。破れかぶれなオリジナル・テイクから、かくもミステリアスな輝きを放つロック・バラードが生まれるとは、誰が想像しただろうか。
10FALLING OUT OF LOVE
愛の深さゆえに思い悩む、純真な心を綴った珠玉のバラード。星に祈るかのようなロマンティックなメロディから、深い憂いへと堕ちてゆく展開は圧巻。父親を超えんばかりの美しいヴォーカルが響きわたる。
[Disc 2]〈DVD〉〈短編フィルム〉
01デッド・ミート
02ウェイト・フォー・ミー
03パラシュート
04フレンドリー・ファイア
05スペクタクル
06トゥモロウ
07オン・アゲイン・オフ・アゲイン
08ヘッドライツ
09ウッド・アイ・ビー・ザ・ワン
10フォーリング・アウト・オブ・ラヴ