ミニ・レビュー
男女デュオ・エレクトロ・ユニットの7作目となるアルバム。サウンド・プロデュースだけでなく、アート・ワークやスタイリングまで手掛ける中田ヤスタカの美意識に貫かれた、アッパー系のエレクトロ・ディスコ・サウンドは、濃密な空間を構築しスキがない。
ガイドコメント
2006年5月リリースの7thアルバム。これまでのビート感あふれるポップなエレクトロ・サウンドにアグレッシヴなアプローチが加味された仕上がり。i-Tunes用限定シングル「jelly」のニュー・ヴァージョンを収録。
収録曲
01CS Entrance6
アルバムの冒頭から、これまでの“キュートでポップなエレクトロニカ”というcapsuleのイメージを180度変えてしまうこと必至。音圧のかかる、ヘヴィでアグレッシヴなサウンドにノック・ダウン。
02FRUITS CLiPPER
「Are You Crazy?」というフレーズで始まるアルバム・タイトル・ナンバーは、ダフト・パンクの「Digital Love」を彷彿とさせる、超ゴキゲンなフレンチ・タッチ・フィルターハウス。
03jelly (album-edit)
Apple iTunes Music Store限定の配信用楽曲として2005年11月にリリースされるやいなや、エレクトロニック・チャートで1位を記録した「jelly」のアルバム・ミックス版。
04CrazEEE Skyhopper
ばっちりフロア対応のアッパー・サウンドは、クラバー御用達のディスコ・ビーツ。レーザービームが交錯するなか、オーディエンスの熱狂が目に浮かぶかのような、文字通り「アゲアゲ」な1曲に仕上がっている。
055iVE STAR
エレクトロニカ、ボッサ、ラウンジ、フレンチ・ポップ……。さまざまな音楽スタイルをボーダーレスに横断する中田ヤスタカの才能を存分に味わうことができる、とびきりキュートでキャッチーなナンバー。気分はサテライト!
06Endor
超攻撃型エレクトロ・サウンド万歳のアルバム『FRUITS CLiPPER』のなかで一息つくインタールードは、亜熱帯ジャングルを思わせる自然音と動物のいななき。コーネリアスの傑作「POINT」にも通じるこのセンスに、capsuleのさらなる深化が見える。
07Robot Disco
「Robot Disco」というタイトルからして、レトロ・フューチャー感が満載。“古き良き未来”を感じさせるヴォコーダー・ヴォイスがちょっとクラフトワークっぽい、4つ打ちディスコ・ナンバー。
08super speeder Judy Jedy
エッジの効いたギター・サウンドとピコピコした電子の音塊が、幸せな邂逅を遂げる……。この音の快感は一度聴いたら病みつきになるはず。ダンサブルでピースフルな、ファンキー・エレクトロ・ミュージック。
09megalopolis
道路・通信網が整備化された巨大都市、「メガロポリス」がタイトルに冠されたナンバーは、これまた完全フロア対応のハウス・チューン。夜景を眼下に見下ろすハイウェイでBGMとして流せば、音像とぴったりマッチするハズ。
10dreamin dreamin
capsuleのポップ・センスが、これでもかという位に凝縮された歌モノ。こしじまとしこのキュート・ヴォイスで「Do You Wanna Dance With Me?」って言われた日にゃあ、問答無用で踊るっきゃない。