ミニ・レビュー
2006年を代表するスマッシュ・ヒットとなった(3)を含む2作目。ハイパー・テンションなピアノ伴奏に胸躍る(2)や、シングル曲(6)のしっとりストリングス・ヴァージョンなど、幅広く濃密な音楽性を愉しめる。三人の味わい深いキャラクターが見事に開花した幸福な一枚。★
ガイドコメント
ピアノをメインとしたメロディが耳を引く、3ピース・バンドの2ndアルバム。ドラマ『PS羅生門』の主題歌に起用された「愛してる」のほか、ラブ・バラード、ロック、スカ、ダンス・ナンバーなど、多彩なジャンルに挑戦している。バンドの新境地を感じさせる秀作。
収録曲
[Disc 1]
01Stay with me
軽快なメロディと「あなたしかいらない、と言えるしあわせ」を綴るストレートで熱いメッセージにグッとくる、さわやかなロック・チューン。間奏部分のピアノもかっこよく、メンバーの確かな演奏力が伝わってくる。
02クラクション・ラヴ-ONIISAN MOTTO GANBATTE-
ホーン・セクションがイントロから大騒ぎのスカ・ナンバー。女の子をオトそうとする男心を描く、韻を踏んだユーモラスな歌詞も楽しい。ノッて踊って歌って大騒ぎしてしまいたくなるアッパーなテンションの曲だ。
03愛してる
小さな光を放つアコースティック・ピアノとシンプルな低音ベースで奏でる別れの歌。せつなさや悲しみを満ち足りた気持ちへと昇華させるような、収束される愛のチカラを感じさせる名曲中の名曲。テレビ朝日系ドラマ『PS羅生門』主題歌。
04Shall we dance?
ダンス・クラシックを思わせるディスコ風トラックときわどい歌詞にドキドキする、ファンク調のポップ・チューン。サビの哀愁漂うコーラスが渋い大人のナンバーで、女性コーラスのSHIFOの吐息もセクシー。
05恋の天気予報
イントロのスキャットから渋谷系っぽい、軽くておしゃれなポップ・ナンバー。男女間のやりとりを綴った歌詞が楽しく、「気まぐれな彼女の気持ちを教えてくれる恋の天気予報があればいいのに」という男心もかわいい。
06ママのピアノ (Strings Version)
ピアノの澄んだ音色とメロディの美しさ、深みのあるヴォーカルが、せつなさを誘うバラード。ママの死とピアノへの思いが胸を打つ。ストリングスのアレンジが情感をいっそう盛り上げ、聴き終わったあとには、温かい気持ちにさせてくれる。
07YOUR STORY
アドリブたっぷり軽快に奏でられるピアノ・ソロと躍動感にあふれる軽快なフレーズが爽快なナンバー。何よりもメンバーの3人が楽しんで歌っている気分が伝わってくるメッセージ・ソングだ。TBS系テレビ『世界ふしぎ発見!』エンディング・テーマ。
08線香花火
口笛からはじまる、どこかなつかしいメロディが耳に残る、味のあるナンバー。ピアノのみの伴奏に哀愁漂うヴォーカルが映えていて、「線香花火」が持つせつなさを恋のせつなさと重ねた歌詞には、ホロリとしてしまう。
09家出少女A
とにかく弾けまくっているピアノ、バキバキのベース、ドライヴ感のあるドラム、うねるホーン・セクションがファンキーな、疾走感あるロック・チューン。家庭崩壊から援交に走る家出少女を描いた歌詞が衝撃的だ。
10LAST SONG (Album Edit)
死に行く「僕」が友人、父親、母親、弟、恋人に感謝する気持ちを歌う、せつないヴォーカルに胸をしめつけられる。ヘヴィな内容だが、オーガニックなアレンジとキャッチーなメロディによって、ポップスへと昇華させたミディアム・ナンバー。
11“おかえりなさい”が待っている
メロディアスなサビが印象的などこかなつかしい気持ちになるポップ・チューン。「帰るべき家」を描いた歌詞があたたかく、カントリー調のアレンジとマッチしている。「ラララ…」の部分は、思わず一緒にコーラスしたくなるほどキャッチー。
12Love...
「愛と正義がひとつだったら」。そんなメッセージをこめた渡の力強いヴォーカルがしっかりと聴き手に届く、壮大なミディアム・バラード。だんだんと盛り上がっていくアレンジと、ラストの子供たちのコーラスがさらに世界観を深めている。
13フラフラフライデー・ミッドナイト
「金曜日」というだけで浮かれてしまう、週末のもつ特別な感情を、ごきげんなアレンジにのせたファンキーなポップ・チューン。ジャジィなピアノとブルージィなヴォーカルがかっこよく、ゆるいリズムの心地よさに酔ってしまう。
[Disc 2]〈DVD〉
01愛してる (VIDEO CLIP)
02愛してる (VIDEO CLIP/DIRECTOR'S CUT)
03LIVE AT B.Y.G 06.08.31