ミニ・レビュー
疾走感漂うポップ・サウンドを軸に、ストレートな感情を焙り出す言葉がちりばめられている3作目。「希望の唄」「桜」「旅立ち」「告白」「風」「雪が降る街」と既発表曲を多く含む、そのキャッチーさもいいが、淡いメロディと絵画的なリリックが印象的な「ナツミ」という佳曲の発見に、アルバムならではの娯楽性を感じた。
ガイドコメント
FUNKY MONKEY BABYSの3rdアルバム。「旅立ち」「告白」「希望の唄」といったヒット曲を中心に、ヒップホップの枠を越えた爽快でポジティヴなナンバーが堪能できる。
収録曲
01メロディーライン
涼しげなエレクトロ・サウンドによる近未来感満載のトラック。耳になじむ“メロディーライン”が心地よく、軽快なリズムに体も自然と揺れる。“世界中にこんなmusicを”というファンモンの願いを込めたメッセージが印象的な、フロアを盛り上げるアンセム。
02希望の唄
ギターのアルペジオが印象的な、澄んだサウンドのポップ・チューン。まっすぐ胸に響く感謝の言葉を綴った、大切な人へ送るメッセージ・ソングとなっている。映画『ラブファイト』の主題歌に起用された9thシングル。
03桜
「Lovin' Life」から2年ぶりとなる、2009年発表のファンモン流“桜ソング”。“ありがとうの涙”というフレーズが想いのすべてを物語る極上のラヴ・ソングだ。優しいサウンドと歌詞があいまって涙を誘う。
04おかえりなさい
遠距離にいる相手を気遣い心配する詞とやわらかいサウンドが見事にマッチした、大切な人に捧げるミディアム・ナンバー。アコギの音色が心地よく響く、落ち込んだときや挫けそうなときに励ましてくれそうな心温まる一曲だ。
05旅立ち
映画『ぼくたちと駐在さんの700日戦争』の主題歌となった、2008年発表の7thシングル。未来へ向かう前向きな言葉が満載の応援歌だ。一歩踏み出したいときや新たな世界へ旅立つ人へ送る歌としてピッタリの、さわやかなポップ・ナンバー。
06告白
タイトルも詞も直球勝負の彼ららしい、ストレートなラヴ・ソング。うまく言えない不器用な男の歌で、青春くさい甘酸っぱささえ感じられる。告白するときはもちろん、結婚式やあらゆる恋愛場面に似合う定番ソングになりそうだ。
07ナツミ
軽快なサウンドがさわやかな夏の空気を思わせるサマー・ポップ・チューン。“国道”“並木道”“海岸線”とそれぞれの場面ごとに昔の恋を思い返していく。センチメンタルな想いがストレートに響く、切ないラヴ・ソングだ。
08ガムシャラBOY
ラテン・テイストの情熱的なアレンジが灼熱の夏を感じさせる、ホットなナンバー。“まだこんなもんじゃないさ”と背中を一押しも二押しもしてくれそうな、熱い言葉がぎっしりと詰まった応援歌だ。
09風
初秋の香りとともに昔の恋人を思い出すラヴ・ソング。徐々に薄れゆく記憶や感触を憂うなか、鮮明に思い浮かぶ笑顔を懐かしく噛み締める。涼しげなトラックに別れてしまった後悔をストレートに綴った詞が相まって、とてもせつない。
10雪が降る街
『ファンキーモンキーベイビーズ3』収録の「ナツミ」「風」に続く失恋ソングの冬ヴァージョン。キラキラと雪を思わせるサウンドと昔の恋人を想う詞が切なさを強調している。“いつか二人やり直せるそんな奇跡を夢見て”という一途な想いが悲しい。
11ナイトショット
宇宙感あふれるサウンドにグルーヴが心地よくうねるパーティ・ライクな一曲。一夜限りの関係を描く詞は危険な香りがたっぷり。ノリノリのサウンドで盛り上がること間違いなしのフロア・キラー・チューンだ。
12LOVE乱舞〜恋のミッション〜
デートに失敗した男を陽気なリズムで歌い飛ばすパーティ・チューン。デート費用を親に借りたり雑誌の受け売りでデート・プランを決めたりといった、主人公の情けなさがかえって楽しい。終了後にエレクトロ調のおふざけソングが隠されている。