ミニ・レビュー
J-POPを代表する女性シンガーのデビュー15周年企画のベスト・アルバム。[1](4)や(6)、[2]の(1)など数多くの名曲・大ヒット・ソングを余すところなく収録。48ページ&オール・カラーの豪華なフォト・ブックレットも嬉しい限り。
ガイドコメント
2枚組ベスト・アルバム。ヒット・シングル「負けないで」「マイフレンド」をはじめ、通算42枚目となるシングル「ハートに火をつけて」までを網羅した、ヴォリューム満点の全27曲。
収録曲
[Disc 1]
01Good-bye My Loneliness
単純ながら耳に残るメロディ、余計な音をそぎ落としたようなシンプルなアレンジ、ゆったりとしたリズムで丁寧に歌う坂井泉水の瑞々しいヴォーカルが、初々しくも後の大ヒットを予感させるZARDの記念すべきデビュー曲。
02眠れない夜を抱いて
03IN MY ARMS TONIGHT
04負けないで
ZARD最大のヒット曲にして、10年以上も歌い継がれている代表曲。高校野球のテーマ曲や24時間テレビのマラソン・シーンなど多数の感動的場面を彩り、頑張るすべての人に向けられた応援歌として親しまれている。
05君がいない
些細なすれ違いで別れてしまった恋人を思う歌詞が切ない、93年のヒット曲。それまで恋人と過ごしてきた週末を、思い出の整理や一人で映画を観たりして過ごす、誰しも経験するような一場面を切り取った歌詞が秀逸。
06揺れる想い
愛する人への思いを体いっぱいで表現したような、ストレートなラヴ・ソング。坂井泉水の透明感のあるヴォーカルと、開放的なサウンドが心地良い。真夏の暑さを潤す一服の清涼剤とも言うべき爽やかさがZARDらしい。
07もう少し あと少し…
08きっと忘れない
坂井泉水の高音が心地良いサビ部分で幕を開ける、キャッチーながら切ない、ZARDの王道ソング。恋人との別れを後悔し辛いけれど、思い出を大切に持っていたいから、恋人を信じて忘れない。そんな女心を歌った作品。
09この愛に泳ぎ疲れても
10Oh my love
11こんなにそばに居るのに
12あなたを感じていたい
13愛が見えない
14サヨナラは今もこの胸に居ます
[Disc 2]
01マイ フレンド
リズミカルなドラムスと親しみやすいメロディ、応援歌的な詞世界が「負けないで」を彷彿とさせる。冒頭、シンセの音が途絶えてヴォーカルだけが入る箇所での安定した声に、ヴォーカリストとしての成長も感じられる作品。
02心を開いて
恋人の声を聞くとなぜか優しい気持ちになれる。自分と似ている不器用な面をみつけてとてももどかしいけれど、何より愛しい。思いが深く、落ち着いた時期の恋愛における、相手を思うやわらかな視線にあふれた作品。
03Today is another day
04Don't you see!
175回レコーディングし161回目をOKテイクとした、こだわりの作品。恋人とはいえ他人であることの寂しさや、喧嘩もするけどずっと側にいたい、という複雑な女性の心理を「わかってよ!」とかわいらしく伝えている。
05永遠
ストリングスを重ねたぶ厚いイントロが広大なスケールを持つバラード・ナンバー。恋人と過ごす間に見える“永遠”は儚い、けれど別れた後に残る思い出や気持ちは永遠のものになる、そんな恋愛の切なさを描いた作品。
06My Baby Grand〜ぬくもりが欲しくて〜
07運命のルーレット廻して
スペインをイメージさせるエキゾティックなギターでの幕開け、ハード・ロックを思わせるエレキ・ギターの間奏、プログレチックな不穏な空気漂うアウトロなど、ポップなヴォーカル部分以外も魅力的な実験的作品だ。
08Get U're Dream
ZARD得意の応援歌で、相変わらずの坂井の優しい眼差しもさることながら、作曲者・大野愛果のカラーが色濃いR&Bテイストの楽曲が大人っぽく、強さとスピード感覚の強い楽曲に仕上がっている。
09もっと近くで君の横顔見ていたい
2003年発表の37thシングル。月桂冠「月」CMで使われたサビと、AメロとBメロとが異なった色彩で構築された組曲的ミディアム・ポップ。発表直前の仮タイトルは「もっと近くで君の横顔見ていたい ずっと恋人のままでこれからもいたいよ」だった。
10今日はゆっくり話そう
忙しい一日を終え、疲れを恋人と過ごして癒すときの心地良い安心感を表現した作品。倉木麻衣への楽曲提供でもおなじみ、大野愛果によるキャッチーなメロディが耳に残る。坂井の温かい歌声が、冬にぴったりのナンバーだ。
11星のかがやきよ
12夏を待つセイル (帆)のように
13ハートに火をつけて