ガイドコメント
デイヴ・ムステインとファン投票によって選曲された2005年発表のベスト盤。映画用に書き下した「アングリー・アゲイン」のほか、新旧の代表曲をバランス良くセレクト。メタリカにはない独特のリフと、デイヴの媚びない力強いヴォーカルが魅力。
収録曲
01HOLY WARS...THE PUNISHMENT DUE
02IN MY DARKEST HOUR
メタリカのベーシストだった故クリフ・バートンに捧げられた、メガデス流ヘヴィ・バラード。唸るようなヴォーカルが重厚さを盛り立てるダークなムードが支配的だが、中間部には疾走パートも用意されている。
03PEACE SELLS
緊張感漂うベース・リフに導かれてスタートするメタル・チューン。世の中にツバを吐きかけるシニカルな歌詞とそれを挑戦的に歌うデイヴ・ムステインのヴォーカルが、ジャジィなギターと絶妙に絡む。終盤の畳み掛けるような疾走パートが劇的だ。
04SWEATING BULLETS
ヘヴィにスウィングするリズムと、語り掛けるようなヴォーカルが特徴的なナンバー。隙間を活かしたジャジィな横ノリ・ビートとザクザクしたヘヴィ・ギターの組み合わせが絶妙で、緊張感が全編にみなぎっている。
05ANGRY AGAIN
ヘヴィでクールな曲想、淡々としたリズム運びが不敵なムードを生み出しているミッド・テンポのナンバー。もともとは映画『ラスト・アクション・ヒーロー』のサウンドトラックに収録されていた曲だ。
06A TOUT LE MONDE
フランス語のタイトル(&一部歌詞も)を採用したヘヴィかつムーディなナンバー。淡々としたクールな曲想の裏側で、エモーショナルに感情の機微を込めるデイヴ・ムステインのヴォーカルが光る。エンディングのギター・フレーズも美しい。
07TRUST
グルーヴィなドラミングに導かれてスタートするヘヴィでムーディなナンバー。意外にもキャッチーなサビを歌い上げる唸るようなヴォーカル、中間部のアコースティック・パートから展開するギター・ソロも実にエモーショナルだ。
08KILL THE KING
ザクザクとしたヘヴィなギターが堪能できる、ヘヴィ・メタリックなナンバー。淡々とした中にもドスの効いたヴォーカルが印象的で、掛け合いによるギター・ソロがやや地味ながら、じわじわと迫ってくる。
09SYMPHONY OF DESTRUCTION
地を這うようなギター・リフとヘヴィなリズムに首を振らずにはいられない、90年代のメガデスを代表するナンバー。うなるようなデイヴ・ムステインのヴォーカルと歌うようなマーティ・フリードマンのギター・ソロの対比も面白い。
10MECHANIX
デイヴ・ムステインがメタリカ在籍時に書いたナンバー「ザ・フォー・ホースメン」のメガデス・ヴァージョン。ラフな疾走感によって、複雑に刻まれるギター・リフが攻撃的な曲想を生んでいる。
11TRAIN OF CONSEQUENCES
まるで列車の運行音のようにザクザクとヘヴィに刻まれるギター・リフと、タイトなリズムやハイテンションながら思いのほかキャッチーなヴォーカルとの対比が面白い。リズミックで重厚感の漂うナンバー。
12WAKE UP DEAD
緊迫感のあるリズムとアグレッシヴなギター・プレイが複雑に絡み合うヘヴィ・チューン。ここで聴けるのはリマスター・ヴァージョンで、オリジナルよりもダークな色合いが濃く、より硬質な印象を与えている。
13HANGAR 18
墜落したUFOと宇宙人が収容されているという米空軍基地の第18格納庫について歌ったナンバー。イントロのザクザクとしたギター・リフから、メロディックなパッセージを経てラストの延々と続くソロ・バトルまで、ドラマティックなギター・プレイの連続は圧巻!
14DREAD AND THE FUGITIVE MIND
畳み掛けるようなヘヴィなリフと隙間を活かしたタイトなリズムの上に、語り掛けるようなヴォーカルを乗せたメタル・チューン。マシンガンのようなギター&ドラムが炸裂する中間部から、流麗なギター・ソロへの展開も劇的だ。
15SKIN O'MY TEETH
16SHE-WOLF
ヘヴィに刻まれるギターが楽曲を引っ張る疾走ナンバー。デイヴ・ムステインのつぶやくようなヴォーカルと意外にメロディアスなサビ、ツイン・ギターを効果的に使ったソロ・パートのバランスが絶妙だ。
17PRINCE OF DARKNESS
約6分半にわたり、徹底してダークな曲調が貫かれた極上のヘヴィ・ナンバー。悪の化身にして邪悪の権化とは果たして……誰なのか? と、世の中のすべてを呪うかのような狂気じみたヴォーカルによって歌い上げられる。