ミニ・レビュー
宮沢和史がTHE BOOMとは別に展開していた中南米ツアーの成果が、レコーディングでまとめられた恰好のこのアルバム。ブラジルのマルコス・スザーノとキューバ出身のルイス・バジェが並んだあたりが宮沢らしい。まとまりきっていない勢いは感じる。
ガイドコメント
THE BOOMの宮沢和史率いる10人編成バンドの1stミニ・アルバム。彼の世界ツアーに同行した日本やブラジル、キューバなどのミュージシャンらが集結し、他に類を見ないハイブリッドな“踊れる”音楽を披露。
収録曲
01HABATAKE!
W杯日韓大会では「島唄」が話題となった宮沢和史(THE BOOM)が、2006年ドイツ大会を盛り上げるため放ったのが、このパブリック・ビューイング会場のテーマ・ソング。軽快なリズムで情熱のビートを刻む、スーパー・サンバ・チューン。
02Bridge
レゲエ・サウンドを刻みながらも“和”を感じるメロディが絶妙に絡み、独特の空気感を生み出しているナンバー。スペイン語のラップも入り、世界をまたに架けるようなワールド・ワイドなミュージックだ。その懐深さの心地良さに、身体も自然とリズムをとること間違いなし。
03Mambolero
自由に踊リ出すようなトランペットやヴァイオリンの扇情的なサウンドが全体に充満する、エロティックなムードがたまらない。宮沢とはまた違った雰囲気のルイス・バジェのヴォーカルが楽しめる、2度おいしいラテン・ナンバー。
04Rainbow Warriors
宮沢和史がTHE BOOM『A Peacetime Boom』収録の「虹が出たなら」のアンサー・ソングとして作ったという、初期THE BOOMサウンドを想起させる曲。多国籍集団である彼らの特色を活かしたミクスチャー・サウンドが体感できるコア・ナンバーで、不思議な吸引力を持っている。
05Survivor (Featuring MISIA)
ゲスト参加のMISIAのヴォーカルがスタイリッシュな楽曲にパワーとスピードを注入した、ハイクオリティ・ナンバー。彼女の美しいヴォーカルと宮沢との絡みは素晴らしく、さらに彩りを添えるB-BANDJのラップとのポップ感も絶妙だ。
06楽園
伸びやかなメロディと三線の響きがどことなくノスタルジックな印象を与える、ヒーリング・ポップ・チューン。リラックスなムードで包み込んだ、まさに“楽園”といった優しさにあふれている。宮沢本人出演のアサヒ缶チューハイ「旬果搾り」CMソング。