ミニ・レビュー
リップのRYO-ZとFUMIYA、FPMの田中知之、スチャダラなどなど、怖いものナシのプロデューサー陣を従えてのファースト・アルバム。そこそこに詩的でイマドキではっちゃけていて、男子ラップに憧れるだけでは物足りなかった大和撫子のソウルを、わしづかみしちゃった功績は大きい。
ガイドコメント
最新シングル「ギリギリ・サーフライダー」をはじめ、毎回面白いアプローチでシングルをリリースしてきた女子中学生コンビHALCALIの1stアルバム。噂のO.T.F.を中心にスチャダラパー、FPMらツワモノがプロデュースに参加。
ガイドコメント
「ギリギリ・サーフライダー」「エレクトリック先生」など毎回アプローチを凝らしたシングルをリリースするHALCALIの1stアルバム。O.T.F.プロデュースのヒップホップ作だ。
収録曲
01Intro.HALCALI BACON
まるでディズニーランドの「エレクトリカル・パレード」のごとく、軽快なピコピコ・サウンドが気持ちいいイントロ・ナンバー。自分自身を「キモい!」とセルフ突っ込みしているのも、HALCALIっぽさ満点でグー。
02タンデム
当時、女子中学生だった二人組のデビュー曲。O.T.FことRIP SLYMEのメンバーによるお気楽ながらもしっかりとした曲に、妙に肩の力の抜けたラップと歌が相まって、新鮮な空気を感じられる曲だ。
03ギリギリ・サーフライダー
2003年夏に発売されたこの曲ではサーフ・サウンドに挑戦! といっても、しっかりHALCALIサウンドとして消化されているのはさすが。彼女たちならではのちょっと変わった波乗りをしている姿が目に浮かぶようだ。
04嗚呼ハルカリセンセーション
アッパーでガーリーでスウィートで……と、HALCALIのチャーム・ポイントをこれでもか! というくらいに凝縮した一曲。プロデュースを担当したのは、ジャパニーズ・ラップのオーソリティであるスチャダラパー。
05おつかれSUMMER
Fantastic Plastic Machineこと田中知之によるトロピカルなラテン系ナンバー。本当はだ〜いすきなクセに、逆三ボディのイケメン彼氏に“say good-bye”しちゃう乙女心が可愛すぎる。
06ハルカリズム“CANDY HEARTS”
KOHEI JAPANが作詞・作曲を手がけた、最高にゴキゲンなパーティ・チューン。ファンク・フレイヴァーをたっぷり効かせた大和撫子ヒップホップは、オールドスクール風味。脱力系なのにノレるのも最高。
07Conversation of a mystery
初期テクノ・ポップを思わせるイントロから一転、オールド・ジャズ調なトラックに乗せてHALCAとYUKALIの思いっきり素な会話が、カット&ペーストで繰り広げられる。女の子同士のおしゃべりって、やっぱミステリーなり。
08Peek-A-Boo
聴いているリスナーも思わずスウィング! ブロードウェイ黄金期を彷彿とさせるミュージカル風サウンドが、ちょっとオ・ト・ナなHALCALIにスポットライトを当てる。ゴージャス感も満喫できちゃうナンバー。
09Hello、Hello、Alone
夏の終わりってどこか寂しくてメランコリック。そんな思春期を迎えたティーン少女たちの心象風景が、ダイレクトにリスナーの胸に突き刺さる……。語り口調のラップが、メロウなムードを心地よく演出する一曲。
10スタイリースタイリー
昨今の女子中高生にとって切実な問題、それはやっぱりダイエット! 頭のてっぺんから足のつま先まで脱力してしまうくらいまったり系なサーフ・トラックにのせて、HALCAとYUKALIの等身大なリアルが綴られる。
11エレクトリック先生
ワイワイとにぎやかな学園生活を描いた2ndシングル。チープなデジタル・サウンドと彼女たちのキュートな魅力たっぷりのラップとの融合が新鮮だ。ライムの言葉選びも衝撃的。
12続・真夜中のグランド
アルバム『ハルカリベーコン』のラストを飾るのは、「真夜中に学校のグランドに忍び込む」という甘酸っぱいユースフル・デイズを、スペーシーなサウンドが包み込む佳曲。その手触りはあくまで叙情的で、スウィートで、そして切ない。