ミニ・レビュー
大編成のオケで演奏された当盤を、時代錯誤的な珍盤と言って切り捨てるのは簡単である。だがキリストの生誕から受難と復活までを祝う一大エンタテインメントとして聴くなら、またヘンデル自身の趣味・嗜好を考えるなら、こういうものもアリかも。しかも演奏がきわめて真っ当なのだから。
ガイドコメント
ビーチャムの3種ある「メサイア」のうち、最後のもの。ビーチャムが親友グーセンスに依頼した近代管弦楽用の編曲版の唯一の録音。大編成のロマン的響きに満ちた、歴史的録音のひとつといえる作品だ。
収録曲
ヘンデル:
01オラトリオ「メサイア」HWV.56 (3部からなるオラトリオ/全曲) (グーセンス編)
02組曲「忠実な羊飼い」演奏会用組曲 (ビーチャム編)
演奏
サー・トーマス・ビーチャム指揮 ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団&合唱団 ジェニファー・ヴィヴィアン(S) モニカ・シンクレア(MS) ジョン・ヴィッカーズ(T) ジョルジョ・トゥッツィ(BS)