ミニ・レビュー
《パリ・セット》の2年後に取り組んだもの。《パリ・セット》に比べるとかなりテンポは落ち着き、表情も穏やかになっているが、その分オケの響きは厚みを増し、ベートーヴェンのような重厚感すら時として感じさせる。オケをフルに鳴らした壮大さの中に何ともいえない洒脱な味わいを開花させているのがきわめてカラヤン的だといえよう。また、多くの指揮者がかなりフレージングや強弱記号等に手を加えているのに対し、カラヤンはフィルハーモニア版のスコアに忠実に演奏しているのも注目すべき点である。
収録曲
ハイドン:
[Disc 1]
01交響曲第94番ト長調Hob.1-94《驚愕》
02交響曲第93番ニ長調Hob.1-93
03交響曲第100番ト長調Hob.1-100《軍隊》
[Disc 2]
01交響曲第95番ハ短調Hob.1-95
02交響曲第96番ニ長調Hob.1-96《奇蹟》
03交響曲第97番ハ長調Hob.1-97
[Disc 3]
01交響曲第98番変ロ長調Hob.1-98
02交響曲第99番変ホ長調Hob.1-99
[Disc 4]
01交響曲第101番ニ長調Hob.1-101《時計》
02交響曲第102番変ロ長調Hob.1-102
[Disc 5]
01交響曲第103番変ホ長調Hob.1-103《太鼓連打》
02交響曲第104番ニ長調Hob.1-104《ロンドン》
演奏
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団