ミニ・レビュー
フェブラリーとヘヴンリーとの違いがよくわからない人にはちょっと困る、コアなファン向けのコンセプチュアルな世界。これはヘヴンリーのセカンドで、ゴスっぽいロックンロールできらびやかでポップなカッコよさを追求。聴くのに頭を使う。
ガイドコメント
キッチュな魅力が全開なトミー ヘヴンリーの2ndアルバム。攻撃的なギター・サウンドに乗せた、甘さとクールさを絶妙な配分で融合させた歌声が響きわたっている。
収録曲
[Disc 1]
01Heavy Starry Chain
ヘヴィなギター・サウンドが鳴り響き、重低音ビートが疾走するパワフル・ロック・チューン。日本語と英語が交じったヴォーカルが、愛する人との別れで完全に“コワレて”しまった女心の、どうしようもない哀しみを表現している。
02stay away from me
スピード感あふれるキャッチーなギターリフやポップなメロディ・センスはアヴリル・ラヴィーンを彷彿とさせる。唇を“ツン”ととがらせた小生意気なガーリー・ロック。トミーの小悪魔的魅力にノックダウンされるべし。
03I'm Gonna SCREAM+
ブリブリなエレ・ポップを歌うTommy february6は仮の姿。へヴィなロック・チューンに乗せて、ゴス可愛いトミーのヴォーカルが縦横無尽に響きわたる。アッパーでアンニュイという多面的な要素を持った勢いある楽曲は、彼女のさらなる新境地。カネボウ化粧品「free plus」CMソング。
04my bloody knee-high-socks
ノイジーなギター・サウンドが、おそらくルイス・キャロル『不思議の国のアリス』をモチーフにしたと思える摩訶不思議なサイケデリック・ワールドに誘う。ブリッジにおけるトミーのハイトーン・ヴォーカルは圧巻の一言。
05DOOR MAT
「怖いけど可愛い」略して「こわカワイイ」がコンセプトとなっているアルバム『Heavy Starry Heavenly』の真骨頂ともいえる一曲。パンキッシュなギター・サウンドにのせて、ゴスロリなトミー ヘヴンリー・ワールドが縦横無尽に広がっていく。
06Lollipop Candy♥BAD♥girl (album version)
ハロウィーンのモチーフを織り込んだ、マジカルなプログレッシヴ・ロック。シングル・ヴァージョンは10月31日にあやかった10分31秒の大曲だったが、このアルバム『Heavy Starry Heavenly』収録曲は4分56秒のショート・ヴァージョン。
07THE CASE
ストレートな心情をぶちまけるのにピッタリのバンド・サウンド。尖った部分を全面に押し出して、いきなりシャウトを放つなど、熱いヴォーカルでハードに迫る。トミーのハジけっぷりが伝わってくる骨太ロック・チューンだ。
08ABOUT U
09I♥Xmas
トミーが贈るクリスマス・ソングは、ちょっぴりせつないテイスト。冬の大イベント当日は、やっぱり彼に会いたい。こんな想いに駆られる女の子の気持ちを、熱さを帯びたギター・サウンドで包み、見事に描いたミディアム・ロック・チューン。
10Pray
テレビ東京系アニメ『銀魂』オープニング・テーマ。コケティッシュなトミーのヴォーカルと切ないメロコアが融合した、ガールズ・ロックの王道を行くストレートなナンバー。“ゴスロリ”を音で表現したら、このような楽曲では? と思える仕上がりだ。
11GOING 2 MY WAY
暗く荒廃した大地に一筋の光が差し込むかのような、希望と絶望が交錯するガールズ・ロック・アンセム。ポップ調のブリッジ部分では、Tommy february6的なスウィートネスが少しだけ顔を覗かせ、二面性を持ったキャラクターを効果的に活かしている。
12Lucky me
アルバム『Heavy Starry Heavenly』のラストを飾る、前向きなポップ・ソング。“友達との別れ”を歌っているものの、ポジティヴなパワーに満ちていて、自ら「トミー ヘヴンリーはダークサイドから抜け出したんでしょうね」と言わしめるほどの仕上がり。
[Disc 2]〈DVD〉
01I'm Gonna SCREEM+
02Pray
03Heavy Starry Chain
04Lollipop Candy♥BAD♥girl
05I♥Xmas
06+gothic Pink+
07Heavy Starry Chain Making