ガイドコメント
平均年齢19.5歳という点でも注目される彼らの1stフル・アルバム。次世代ロック・バンドNo.1の名に恥じない作品を完成させている。映画『リンダ リンダ リンダ』の挿入歌も収録。
収録曲
01極彩色イマジネイション
ざわめく街の風景を生き生きとした言葉で切りとった、賑やかなダンス・ロック・チューン。南国ムード漂うパーカッションやスウィンギーなギターを用いた、心躍る音色がいっぱい。音や歌詞の隙間から“楽しい!”という気持ちが溢れている。
02April Mirage
“君”に伝えたい想いと現実との葛藤を歌ったノスタルジックな一曲。低音のベースとギターが絶妙のバランスを保ちながら、ぬくもりあるサウンドを構築している。ベース関根が出演した映画『リンダ リンダ リンダ』の挿入歌としても使われた。
03空飛願望
力強いベースがうなりエフェクティヴなギターが鳴るリズミカルなナンバー。明るい光が差し込んだような希望が感じられるサビに軽やかな小出の歌声が乗る。最後の“5000M”というフレーズとともに浮遊感をともなってく淡いメロディは、空を飛んでいるような気分にさせる。
04向日葵の12月
目まぐるしく季節が巡るような躍動感あるサウンドが気持ちいいナンバー。“十二月に俺は生きる”と強く歌いながらも、冬の寒さと切ない思い出とがリンクして、メランコリックな一面も見え隠れする。次第に高揚していくドラマティックな展開が秀逸。
05白雪の彼女
“あ、君がいたような気がした”という歌い出しから切なさを感じさせる恋愛ソング。雪が積もるとはしゃいでいた元カノの幻影を、林檎色の頬や蜜柑色の髪から思い出してしまうというノスタルジックな詞が印象的。白、赤、オレンジといった色のコントラストによる描写が秀逸。
06海になりたい
駆け抜けていくようなスピード感のあるメロディが魅力のアッパー・チューン。若さにあふれた勢いのあるサウンドと小出の歌声が非常によくマッチし、“ベボベ”の存在感を強く表わしている。間奏の荒々しいギターが、過去の出来事を吹っ切ろうとしているように聴こえて切ない。
07aimai memories
歌い出しの小出の優しい声に引き込まれる、どこかノスタルジックで懐かしさが漂うナンバー。温かく幻想的なギターのメロディと簡単なコード進行だが存在感のあるベースの、両者が奏でるハーモニーが心地よい。淡いキラキラした思い出のなかを泳ぐようだ。
08サテライト・タウンにて
オープニングのザラついたギター・リフなどの音から、彼らが公言する“ナンバーガール・フォロワー”であることが感じとれるナンバー。だが、4つ打ちなどナンバーガールにはない要素も組み入れて、彼ららしいダンス・ロックに仕上げている。
09君色の街
イントロのギターがどこかノスタルジックに響くナンバー。ヴァースでは高音で奏でるギターと低くうなるベースがそれぞれ強調されるが、サビでは混ざり合って熱いサウンドとなって鳴り響く。“君色”の思い出が残る街に生きる哀しみが淡く描かれている。
10翳ない2人
温かくてそよ風のような優しさと爽やかさが特色のサウンドと、先の見えない二人の未来の不安を打ち消す希望の光のような安堵感がある詞が特徴。切ない時も温かい時も“ベボベ”の曲には“オレンジ色”がよく似合う……そう思えるナンバーだ。
11彼氏彼女の関係
彼らお得意の4つ打ちダンス・ロック・ナンバーだが、ワウ・ペダルなどを使っていささかソウル風味の味つけに。内容は男女のすれ違いという重めの題材だが、小出の純朴な歌声のおかげで清潔感のある恋愛ソングになっている。
12HIGH COLOR TIMES
しっかりとしたボトムのベースの上で泳ぐように鳴るギターが、過去と現在の曖昧な空間を表わしているかのよう。思い出の“君”を想うあまりに“夢の街”から抜けられず、“君”と夢で逢える時を願うはかなさが、哀しいほど伝わってくるようだ。