ミニ・レビュー
前作から10ヵ月という短いタームで発売された、フル・アルバム。谷中さんの前衛的な歌詞もすっかりなじんでしまって、スカと日本語のコラボレートの妙を決定づけている。キャリアにあぐらをかかない、いつだって新鮮なインプレッション、まさに“血湧き、肉踊る”なのである。
ガイドコメント
前作でJ−POPに進出してノリに乗っているスカパラの10thアルバムは、好調ぶりを証明する充実作。ドラマーの茂木欣一がヴォーカルをとる、フジテレビ系ドラマ『美女か野獣』の主題歌「銀河と迷路」も収録。
収録曲
01Rendezvous In Space!
緩やかな時の流れを感じさせる奥ゆかしいインストは、気心の落ち着く空間を創り出す。終始ミドル・テンポでゆったりと酔いしれ、束の間の宇宙遊泳にも似た感覚を楽しめる。伸びの豊かなホーンにうっとりしてしまう。
0224 Hours To Ska
ジャズ・テイストが香るインスト。耳当たりのいいピアノがフィーチャーされている。縦横無尽に駆け巡るその音色はあり一面に広がり、ファンタジックな音世界に。もちろんスカ・ビートも絶妙に寄り添った上で。
03A Quick Drunkard
ゆったりなレゲエ・リズムの冒頭から、ハイ・テンションなスカ・チューンへとギア・チェンジ。根幹は南国の太陽の下に栄えるレゲエの精神。その優しさと雄大さを生かしつつ、スカパラ風にゴキゲンなアレンジを施した。
04Put On Fresh Sex
05Natty Parade
06Ocean To Ocean
07The Last Bandolero
08Rule Of Danger
09銀河と迷路
ドラマ主題歌ともなった今作は、ドラムス茂木欣一をヴォーカリストに据えた新たな試みに挑戦。爽やかな歌モノは、まるでシティ・ポップ。映える清涼ヴォーカルの裏で、優雅なリズムを刻むスカ・ビートが心地良い。
10Lovers' Walk
11WRECKIN' BALL
12The Third Era
13Skank In My Bones
14蟻たちの夜
ゆったりマイペースに聴かせるミドル・チューン。往年の歌謡曲、はたまた演歌的(?)アプローチはやけに新鮮。酒に酔ったときの独り言のような詞は、男の黄昏を思わせる味わい。残る温かな余韻にニヤけてしまう。