ミニ・レビュー
11枚目のオリジナル・アルバム。先行シングルの「1、2、3 for 5」は見事なディスコ歌謡だったが、アルバムの重心はディスコ〜ソウルよりも、むしろ「愛は探し出すのさ」「言葉にすれば」「Sky High」のようなストリングスをフィーチャーしたスケールの大きい楽曲にある。初回盤は、6曲のビデオ・クリップを収録したDVD付き。
ガイドコメント
ゴスペラーズの2009年3月発表のアルバム。音楽コンクールの課題曲や映画の主題歌、アニメのテーマ曲など話題になったナンバーを多数収録。巧みなヴォーカル・ワークに、よりいっそうの磨きがかけられている。
収録曲
[Disc 1]
011、2、3 for 5
34thシングルとなる、リズミカルなブラス・セクションに思わず踊り出したくなるファンキーなアッパー・チューン。ささやくような低音とシャウトするような高音という、対照的でソウルフルなヴォーカルがひときわ耳を引く。
02ローレライ
夏の爽快感があふれるミディアム・ナンバー。美貌で舟人を沈めてしまうという伝説の魔女“ローレライ”に魅了されたかのような恋に落ちたと歌う、夏の暑いビーチで聴きたい甘いラヴ・ソングだ。
03セプテノーヴァ (ゴスペラーズ vs 常田真太郎 (from スキマスイッチ))
スキマスイッチの常田真太郎とのスペシャル・ユニット“ゴスペラーズvs常田真太郎”によるコラボ曲。爽やかなほんのりファンク・テイストの応援ソングとなっている。日本テレビ系『FIFAクラブワールドカップ ジャパン2008』公式テーマ・ソング。
04愛は探し出すのさ
“二人で愛を見つけ出そう”という深く優しい気持ちを歌ったスロー・バラード。幻想的なストリングスとピアノによる美しく壮大なバックを前にした、力強いメイン・ヴォーカルとそれをそっと支えるバック・コーラスとの掛け合いが聴きどころ。
05Armonia
柔らかくしっとりとしたラヴ・バラード。ア・カペラのみで構成され、ゴスペラーズの歌唱力が遺憾なく発揮されている。きらきらと光る美しいハーモニーが耳に心地よい、静かな夜に聴きたくなるような一曲だ。
06言葉にすれば
5人のハーモニーが美しく彩る、爽やかで壮大なミディアム・チューン。未来へと向かっていく想いや憧れを、膨らませていくように歌うサビが印象的。温かい光が差し込むような優しいメロディが心地良く響く。
07Sky High
フジテレビ系アニメ『のだめカンタービレ 巴里編』オープニング・テーマとなった33thシングル。流れるようなストリングスとリズミカルなブラス・セクションが魅力の爽快感あふれるミディアム・ナンバーで、冒頭の美しいア・カペラのハーモニーも印象的。
08青い鳥
合唱に青春を賭ける高校生の成長を描いた映画『うた魂♪』の主題歌となった31thシングル。やさしく流れるような美しいハーモニーが魅力のスロー・ナンバーで、“青い鳥”を“もう一度めぐり逢える”幸せとして引き立たせた、出発の春にふさわしい楽曲となっている。
09Love Vertigo
恋に想い悩む心情を描いた、切ないミディアム・ナンバー。甘く切ない声色のメイン・ヴォーカルと緊張感がありながらも包み込むようにやわらかいバック・コーラスに、ゴスペラーズの歌唱力が遺憾なく発揮されている。
10Blue Planet
やさしく背中を押してくれるような温かいミディアム・ロック・ナンバー。ギターとハーモニーが見事に協和して、美しいメロディを生み出している。気持ちのいい昼下がりに聴きたくなるような一曲だ。
11シマダチ
遠い日の淡い恋心を思わせるようなノスタルジックなナンバー。スロー・テンポでやさしく流れるメロディに乗る、ほんのり淋しさを帯びたトランペットの音色が印象的。夏の夕暮れ時に夕日を眺めながら聴きたくなるような一曲だ。
12My Gift To You (feat.木原健太郎)
詞曲を手掛けたジャズ・ピアニストの木原健太郎のピアノをフィーチャーした、珠玉のラヴ・バラード。スロー・テンポで綴られる愛の歌は、星空の下で聴きたくなるような甘さとロマンティックな雰囲気が漂う。美しいハーモニーとピアノの音色が印象的な一曲。
[Disc 2]〈DVD〉
01言葉にすれば
02青い鳥
03ローレライ
04Sky High
05セプテノーヴァ
061、2、3 for 5