ミニ・レビュー
シドニー生まれの女性シンガーの日本デビュー作。2003年の1作目と、何とガンを克服して録音された2004年の2作目からの曲に新曲2曲を加えたものだ。可憐なヴォーカルが魅力的な21歳という若さではあるけれど、激動の人生を誠実に歌うなど、感動的。
ガイドコメント
本国オーストラリアでは記録ずくめのセールスを果たした、マライア・キャリー、セリーヌ・ディオンに続く歌姫、デルタ・グッドレムの日本デビュー盤。映画『アジアンタムブルー』の主題歌も収録する。
収録曲
01BORN TO TRY
デルタ・グッドレムの本格デビュー・シングルで、2002年に地元オーストラリアのチャートで1位を記録、彼女を一躍スターダムへ押し上げた記念すべきナンバー。「わたしは挑戦するために生まれてきた」という前向きな気持ちを歌ったバラードだ。
02LOST WITHOUT YOU
「あなたがいないと途方に暮れてしまう」と歌われる力強いポップ・ロック・チューンで、全豪1位獲得曲。不安な感情を抱きながらも、自分の思いをストレートに表現しようとするデルタのヴォーカルが、最大の聴きどころだ。
03A LITTLE TOO LATE
ガールからレディへと移り変わる時の微妙な感情の揺れを表現した歌詞が印象的。テイク・ザットのゲイリー・バーロウを中心とするプロダクション・チーム“True North”が手がけた楽曲で、重厚な手触りながら質の高いポップ・チューンに仕上げている。
04LAST NIGHT ON EARTH
「まるで地球最後の日であるかのように貴方を愛するわ」という内容の、スケール感あふれるラブ・ソング。ガンに侵され、それを克服してきた彼女が歌うと、やはり説得力が違う。緊張感みなぎるヴォーカルが聴きものだ。
05FLAWED
映画『アジアンタムブルー』主題歌で、愛が上手くいかない様子を歌ったドラマティックなナンバー。デルタがフェイヴァリット・アーティストに挙げるマライア・キャリーやセリーヌ・ディオンを彷彿とさせる、表現力豊かなヴォーカルが見事だ。
06ALMOST HERE
オーストラリアで1位、全英3位を記録した大ヒット・ナンバー。元ウエストライフのブライアン・マクファーデンとのデュエットが新鮮な印象を与えており、愛がうまく噛み合わない男女の微妙な気持ちのズレを巧みに表現している。
07EXTRAORDINARY DAY
タイトルが意味する“悲劇の日”とは、デルタがガンと診断された日のこと。自らの人生に突然降りかかってきた悪夢……そのときの心の葛藤を克明に綴っている。シリアスな歌声が、病に苦しむすべての人の心に“何か”をもたらすに違いない。
08INNOCENT EYES
「“澄み切った瞳”をしていた少女時代は無邪気で良かったけれど、信念を持って前進しなければ」……そんな、少女からの脱皮をテーマにしたナンバー。シングルとして全豪No.1に輝き、1stアルバムのタイトルにもなった重要曲だ。
09NOT ME, NOT I
ピアノの切ない旋律が印象的。「わたしは泣いたりしない、わたしに限ってそんなことはありえない」と強気に歌っているけれど、それでも、まだアナタのことが……。揺れ動く乙女心が見え隠れする、同性の共感を呼びそうな曲だ。
10NEVER FADES AWAY
「愛は歌のように、決して消えたりしない」と歌われる、ストレートなラブ・ソング。澄みわたった青空のように一点の曇りもない愛の歌は、デルタの作品の中でも案外珍しいのでは? 女性らしい包容力で優しく包み込むような温かさのある曲だ。
11PREDICTABLE
スウィッチフットやリリックスを手がけたことで知られるジョン・フィールズによるプロダクション。イントロのピアノの旋律からしてシリアスなムード漂うナンバーで、「あなたはあまりにも見え透いている」とデルタが強気な姿勢で歌い上げている。
12MY BIG MISTAKE
元テイク・ザットのゲイリー・バーロウを中心とするプロダクション・チーム“True North”のメンバーが手がけた、彩り鮮やかなポップ・チューン。恋愛に対する自分の大きな過ちを後悔するという内容を歌い上げている。
13BE STRONG
「強く生きるのよ」と聴き手を励ましてくれる内容の応援ソング。デルタがガンと闘ったあとに発表された作品ゆえ、彼女自身を勇気づけるために書いたと捉えることもできる。真摯な思いを伝えるヴォーカルには、胸が震えてしまう。
14OUT OF THE BLUE
ガンと闘い見事に克服したデルタが、2004年にリリースしたカムバック・シングルで、彼女の復帰を祝福するかのように全豪No.1に輝いた。歌詞の内容も復帰作にふさわしく、新たな人生を歩み出すときの心情を綴っている。