ミニ・レビュー
北米を中心に大ヒットした男性シンガーの2作目。ポップスやロック、ジャズのスタンダードをデヴィッド・フォスターがプロデュースしたゴージャスかつ小粋なサウンドをバックに、張りのある真っ直ぐな声で歌い上げた良質なヴォーカル・アルバム。
ガイドコメント
感動的なラブ・バラードに全米が涙した「ホーム〜きみのもとへ帰りたい」を収録したアルバム。デビュー作に続き、デヴィッド・フォスターがプロデュースを担当している。
収録曲
01FEELING GOOD
映画『嫌われ松子の一生』の挿入歌に使われて話題になった曲で、ニーナ・シモンの名唱でも知られるナンバー。ノスタルジックな雰囲気が漂うジャジィな演奏をバックに、感情を振り絞るような歌唱を聴かせている。
02A FOGGY DAY (IN LONDON TOWN)
フランク・シナトラやジュディ・ガーランドのナンバーとして有名な、ジョージ・ガーシュウィン作のスタンダード。ビッグ・バンド・スタイルのサウンドを従え、男っぽさの中にも新鮮な甘さをたたえた声で歌っている。
03YOU DON'T KNOW ME
レイ・チャールズやエルヴィス・プレスリーも歌っていた、片思いをテーマとしたカントリーの名曲。小粋なジャズ・アレンジとブーブレの切々とした歌唱が絶妙に絡み合い、より胸に迫る曲に仕上がっている。
04QUANDO, QUANDO, QUANDO
トニー・レニス作曲のカンツォーネ/イタリアン・ポップスの名曲を、ネリー・ファータドとデュエット。軽いボサ・ノヴァ・タッチにアレンジされたサウンドをバックに、息の合ったスウィートな歌唱を聴かせてくれる。
05HOME
マイケル・ブーブレ自らが作曲したナンバー。ロッカ・ソウル・バラードといった佇まいを持つ曲で、男の心情を描いた実直な歌詞と誠実さが前面ににじみ出たブーブレのヴォーカルが、ピッタリ符合している。
06CAN'T BUY ME LOVE
いわずと知れたビートルズの大ヒット・ナンバーをスウィング調へと大胆にアレンジ。ブーブレは軽快にスウィングするサウンドを従えて心地よく歌いきり、この名曲に新たな生命を吹き込むことに成功している。
07THE MORE I SEE YOU
サラ・ヴォーンやチェット・ベイカーらが歌い、インスト・ナンバーでも多くのジャズ・メンが演奏している名曲。1940〜50年代を思わせるジャジィなサウンドと甘さを含んだ男臭い歌が、見事に溶け合っている。
08SAVE THE LAST DANCE FOR ME
ソウル/R&Bクラシックとしてあまりにも有名なドリフターズの大ヒット曲。オリジナルよりラテン・フレイヴァーを強めたアレンジのサウンドをバックに、スムースかつ洗練されたヴォーカルで歌い上げている。
09TRY A LITTLE TENDERNESS
オーティス・レディングの名唱で知られるソウル・クラシックのカヴァー。優雅なビッグ・バンド・サウンドのアレンジと情感細やかなブーブレのヴォーカルによって、エレガントな作品へと生まれ変わっている。
10HOW SWEET IT IS
マーヴィン・ゲイやジェイムス・テイラーらが歌った、ホランド=ドジャー=ホランド作の名曲。ジャズとソウルをミックスしたような演奏をバックに、軽快なヴォーカルを聴かせてくれる、シャッフル調のナンバー。
11SONG FOR YOU
多くのアーティストがカヴァーしてきた、レオン・ラッセル作による名曲中の名曲。ジャジィな演奏をバックに、しっとりとした歌を聴かせている。クリス・ボッティのトランペットがいいアクセントになっている。
12I'VE GOT YOU UNDER MY SKIN
フランク・シナトラを筆頭に、数多くの歌手が採り上げてきたコール・ポーターの作品。心地よくスウィングするビッグ・バンド・サウンドを従え、張りのあるヴォーカルで堂々たる歌唱を披露している。
13YOU AND I
スティーヴィー・ワンダー作によるラブ・ソングの名曲。優しさと強さを併せ持つブーブレの歌と、デヴィッド・フォスターのピアノを軸にしたロマンティックな演奏が溶け合い、アダルトな雰囲気を醸し出している。
14SOFTLY AS I LEAVE YOU
「そっとさよなら」という邦題でも知られる、1964年にフランク・シナトラがヒットさせたナンバー。ブーブレは包容力あるスケール大きな歌唱を聴かせていて、エレガントなストリングスがそれに華を添えている。