ミニ・レビュー
J.S.バッハのモテットは数少ないが、対位法的手法を駆使し、和声的にも傑出した出来を示す。アーノンクールによる演奏はその本質を明解に照射する。ストックホルム・バッハ合唱団は素朴な風味も多分にあり、いわば世俗的な宗教音楽としての雰囲気を醸し出しているのがいい。
ガイドコメント
バッハの6作あるモテットをすべて収録した一枚。なかでも第3番が広く知られるが、いずれもが充実した作品ぞろい。カンタータ全集で培った演奏技術を活かし、アーノンクールが優れた演奏を繰り広げている。
収録曲
J.S.バッハ:
01モテット第1番「主にむかいて新しき歌をうたえ」BWV225
02モテット第2番「御霊はわれらの弱きを助けたもう」BWV226
03モテット第5番「来ませ、イエスよ、来ませ」BWV229
04モテット第3番「イエスよ、わが喜び」BWV227
05モテット第4番「恐るるなかれ、われ汝とともにあり」BWV228
06モテット第6番「主を頌めまつれ、もろもろの異邦人よ」BWV230
演奏
ニコラウス・アーノンクール指揮 ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス ストックホルム・バッハ合唱団