ミニ・レビュー
軽く弾んでクルと転がる優しくも細やかな音触りを聴かせながら、古楽器に倣うのではなく現代ピアノの音色と機能性を十全に活かし、ノリの感覚やさらりとリリカルなウタの柔らかさ、即興的な音の遊びも相まって今の耳に清新にフィットしてくる。玄人目利き風選曲構成もあえての知略。存在感確かな快演。
ガイドコメント
1977年イタリア生まれ、個性派ピアニストとして人気を呼ぶバッケッティの初となる日本盤。バッハ全曲録音チクルスからの第1作とイタリア古典派作品を組み合わせた日本独自編集盤で、バッケッティの魅力をたっぷりと味わえる。
収録曲
J.S.バッハ:
[Disc 1]〈イタリア様式のバッハ〉
01カプリッチョ変ロ長調BWV992「最愛の兄の旅立ちに寄せて」
02イタリア風のアリアと変奏イ短調BWV989
03協奏曲ニ長調BWV972 (原曲-ヴィヴァルディ:「調和の霊感」〜協奏曲ニ長調OP.3-9による)
04協奏曲ニ短調BWV974 (原曲-マルチェッロ:オーボエ協奏曲ニ短調による)
05イタリア協奏曲ヘ長調BWV971
06コラール「いざ来ませ、異邦人の救い主よ」BWV659 (ブゾーニ編)
07コラール「覚めよと呼びわたる物見の声」BWV654 (ブゾーニ編)
[Disc 2]〈バッケッティ・プレイズ・バッハ,スカルラッティ,マルチェッロ,ガルッピ〉
01フランス組曲第5番ト長調BWV816 (J.S.バッハ)
02トッカータ ホ短調BWV914 (J.S.バッハ)
03ソナタ ハ短調K.174 (D.スカルラッティ)
04ソナタ ト長調K.171 (D.スカルラッティ)
05ソナタ第3番ト長調 (マルチェッロ)
06ソナタ ハ長調 (ガルッピ)
録音
[1] 2013.4 [2] (1)(2)2011.3 (3)2012.9 (4)2010.4 (5)2