ガイドコメント
ヒット・シングル「ダイヤモンド」「天体観測」ほか全10曲を収録した、2002年発表の3rdアルバム。ポジティヴで力強いメッセージと胸に響くメロディ、バンドの一体感が存分に堪能できる。
収録曲
01Stage of the ground
アルバム『jupiter』のイントロを飾るリード曲。高らかに鳴り響くアルペジオで幕を開け、一音一音に集約されたダイナミズムで360度に展開するサウンド・スケープ。壮大なバンプ叙事詩の始まりを予感させる。
02天体観測
BUMP OF CHICKENの名が世に広く知られるきっかけとなった曲。ひとつひとつていねいに切り取られた言葉の断片が、頭のなかにさまざまな情景を描き出す。ドキドキとともに襲ってくる果てしない切なさは、お祭りが終わったあとの気分に似ている。
03Title of mine
孤独をさらけ出した藤原の内省的な言葉を直情的なメロディにのせた、タイトルどおりの俺様ナンバー。長い影を背負いながらも、秘められていたがゆえの熱を帯びた情熱的なバラードで魅了する。
04キャッチボール
増川が弾いたギター・リフから生まれた甘いミディアム・ナンバー。増川と藤原の言葉のキャッチボールで綴られた歌詞が、センチにキラメキながら緩やかな弧を描いてリスナーのハートに飛び込んでくる。
05ハルジオン
都会のコンクリートの道端でよく見かける“ハルジオン”を“信念”に喩えて、自分のなかで決して枯れることのない夢や希望などの強い想いを詞に描く。疾走感あふれるリズムに、淡々と言葉をつむぐ藤原(vo&g)の声がほどよくマッチしていて、耳に心地よい。
06ベンチとコーヒー
藤原が実際に過ごしたある一日の様子を淡々と追いながら、ベースの直井にエールを贈ったドキュメンタリー・バラード。直井は珍しく動かず、寡黙にルートを這い和音を支える入魂のベース・ラインで応えている。
07メロディーフラッグ
オーヴァーダブと跳躍するベースでドライブ感たっぷりに展開するドラマティック・ナンバー。目まぐるしい時の流れに押し流されないよう、胸の真ん中に突き立てられるこの旗は、メロディメイカーの彼らにこそふさわしい。
08ベル
アコギ&エレキのラフなカッティングでレイドバックするなか、8ビートで本音を囁くミドル・ナンバー。シンプルなコードとハーモニーでさり気なくまとめたワン・シーン。この優しさにほっとする。
09ダイヤモンド
重いベースとタム回しでグルーヴを練り、コード・ストロークはぶっきらぼう。そんな無駄のない無骨なサウンドに、沸き起こるエモーショナルを注ぎ込んだヴォーカルが映えるメジャー・デビュー曲。
10ダンデライオン
陽気なカントリー風ギター・フレーズとブライト・トーンの軽快なコード・ストロークで雰囲気満点な、バンプ流トラッド・ナンバー。わきあいあいな4人の空気を一発録りでパッケージした。