ミニ・レビュー
流行歌として消費されない力強い意思と、“流されても良いじゃない”と軽くいなすしなやかさが同居するサード・アルバム。バンドスタイルにこだわらない椎名の姿勢が、閉じていながら恐いくらいに奔放な音楽を生み出した。メロディがすべからく秀逸。生ピアノも、いい味。★
ガイドコメント
DVD短篇キネマ『百色眼鏡』の衝撃を携えた3rdアルバム。シンメトリーで構成されたJ-POPの概念を越える完成度の高さには、金字塔の名がふさわしい。タイトルは“カルキ ザーメン クリノハナ”と読む。
収録曲
01宗教
02ドツペルゲンガー
03迷彩
04おだいじに
05やつつけ仕事
06茎
07とりこし苦労
08おこのみで
大正ロマンのような雰囲気の4thアルバム中ではひときわポップな楽曲。“愛する人はあなただけ”と言いつつも最後には“確かじゃないのよ”と変わってしまうところに人間の本質が表われた奥深い一曲。
09意識
10ポルターガイスト
11葬列