ミニ・レビュー
メジャー・デビュー15周年の2016年にリリースされた通算10作目。ここ2作ほどトラック・メイキングに変化や冒険も見られたが、本作では懐かしさと新鮮さが同居した仕上がり。4人のハーモニー、それぞれの温かみある歌、人間的な経験に裏打ちされたリリックの数々などが気持ちを打ち抜く。
ガイドコメント
メジャ・デビュー15周年イヤーの、2016年10月26日リリースの10thアルバム。シングル「さらば涙」「君と出逢って」「友よ〜この先もずっと…」「ヤシの木のように」「カラーバリエーション」のほか、新曲も収録。
収録曲
[Disc 1]
01ヤシの木のように
33枚目のシングル。シュガー・レイを彷彿とさせるミクスチャー路線のトラックが爽快なミドル・チューン。裏打ちのギターとトロピカルなスティールパンが、南国で気の合う仲間とのバーベキューや海で過ごす休日を綴った歌詞を盛り上げている。
02いい感じ
爽快なダンスホールレゲエにあわせ、自分たちなりに思う“いい感じな自分たち”を歌っていく、ゆるく楽しめるサマー・チューン。長いキャリアに裏打ちされたメンバーのラガマフィンスタイルも堂に入っている。守尾崇が作曲で参加。
03ボサノBAR
ボッサというよりもサンバに近いダンス・チューンだが、“メキシコ”“テキーラ”などのフレーズが飛び出すなど無国籍な雰囲気が漂っている。イントロ部分にマーヴィン・ゲイ「ホワッツ・ゴーイング・オン」冒頭部のセリフ部分がサンプリングされている。
04人間交差点
跳ねる鍵盤とワウギターが軽やかなファンクネスを醸し出している。交差点になぞらえ、偶然にも似た人と人の出会いに感謝を綴った歌詞もポジティヴだ。“そうさせる”と“交差点”をはじめ、韻もカッチリとはめてくる。
05僕らのために...
映画『僕らのごはんは明日で待ってる』の書き下ろし主題歌。切ないメロディに乗せ、未来を向いていくことを恋人に説くかのように歌っている。“嘘よりも複雑な真実の中”という、世の中を真理に触れるような歌詞も並ぶ。
06カラーバリエーション
テレビ朝日系ドラマ『グ・ラ・メ!〜総理の料理番〜』主題歌。軽快なピアノとストリングを4つ打ちトラックに乗せた爽快なポップ・チューン。タイトルどおり“色”をテーマに、さまざまな人のいいとこも悪いとこも肯定していくポジティヴなバイブスが流れている。
07ディスコ☆部長
“つまらん男”と言われている会社の部長の後をつけると、ディスコで踊り明かしていたというコミカルな描写が印象的なダンス・チューン。ロボ声を使用したフューチャリスティックな印象を受けるトラックだが、ドープなモードを押さえ、あくまでも軽やかに歌っている。
08パッション!!!!
プロデューサー・チーム、BUZZER BEATSのSHIMIとSHIGEが作曲で参加。グループの特長であるカラッと晴れた爽快さは抑えられている分、ナイトライフの危険な香りが漂うアッパーなEDMチューンとなっている。
09エターナリー
“永遠”を意味するタイトルどおり、離れたり近づいたりする友人への思い出とこれからも共に歩んでいこうとする決意を綴ったミドル・ダンサー。シンプルなギターの音色と温かみのあるトロピカルハウス・トラックが絡んだ清楚な一曲だ。
10手紙〜あれから
10年前の自分たちに手紙を送ったメッセージ・ソング。シンプルにつま弾かれる切ないギターときらびやかなシンセが特徴的だ。“やるべきことはやってきたから心配ない”と過去の自分を励ますと同時に、その結果の今も肯定するようなポジティヴな歌詞が並ぶ。
11さらば涙
2016年3月発表の31枚目のシングル。4つ打ちと感傷的なメロディや伸びやかなストリングスが代表曲「さくら」を思わせる、グループの十八番と呼べるキラー・チューンだ。“涙”と決別し前向きに走り出すことの大切さを綴る。
12友よ〜この先もずっと…
2016年4月発表の29枚目のシングル。本澤尚之、田尻知之が作曲で参加。ハウスの疾走感を残しながらも、切ないピアノの音が美しい男同士の友情が綴られた歌詞をドラマティックに演出。『映画クレヨンしんちゃん爆睡!ユメミーワールド大突撃』主題歌。
13ほら行こう
切なくも綺麗なトラックと囁くように優しく歌うメンバーが印象的なバラード。“冬が終わったら いつもの春”“その先にある 最高の光”など、落ち込んだ友人に前を向くことを促すような希望にあふれた歌詞が綴られている。
14テイクオフ
キラキラと輝くエレクトロ・サウンド、音階を上っていくベース・ライン。さらに飛行機のエンジン音が挿入されたトラックにあわせ、“また羽ばたけ”と高らかに歌うメッセージ・ソング。上昇気流に乗り空高くまで飛べそうな一曲だ。
15君と出逢って
2016年3月発表の31枚目のシングルは、恋人との思い出を歌っていくラヴ・ソング。恋人と出逢ったことで“僕が見続けた景色が 変わったよ”と感謝の言葉が並んでいるあたりは、ウェディング・ソングとしても人気になりそう。
16君とワンピース
藤本和則が作曲に参加した王道ポップ・ソング。ドゥー・ワップ風のコーラスを取り入れた、カラフルで華やかなメロディに思わず胸がときめく。タイトルどおり、かわいらしいワンピースを身に着けたオールディーズ・ファッションの女性が目に浮かぶ。
[Disc 2]〈Blu-ray〉
01ヤシの木のように (MV)
02いい感じ (MV)
03僕らのために... (Special MV)
04カラーバリエーション (MV)
05さらば涙 (MV)
06友よ〜この先もずっと… (MV)
07君と出逢って (MV)
08ヤシの木のように (MV Making)
09僕らのために... (Special MV Making)
10さらば涙 (MV Making)
11友よ〜この先もずっと… (MV Making)
〈GREENROOM FESTIVAL Hawaii '16〉
12カリフォルニー
13FUTARIDAY
14夏の思い出
15太陽
16ボサノBAR
17いい感じ
18ヤシの木のように
19ボラーレ〜Nel Blu、Dipinto Di Blu