ミニ・レビュー
夭折の天才作曲家・貴志康一が、1935年にベルリン・フィルを指揮した自作自演のSP盤からの復刻。日本の旋律を使って叙情的に描かれた「日本スケッチ」が興味深く聴ける。フルトヴェングラーに師事した指揮の腕も確かだったのだろう。演奏はきわめて充実している。
ガイドコメント
1900年初頭に生まれ、戦前の動乱の時期を余りにも生き急いだ貴志康一の「忘れ形見」ともいうべき自作自演の記録集。当時25、6歳の貴志がベルリン・フィルを巧みに振った、貴志の才覚が輝く一枚だ。
収録曲
貴志康一:
[Disc 1]
01交響組曲「日本スケッチ」
02大管弦楽のための「日本組曲」〜5.道頓堀/6.花見
[Disc 2]
01赤いかんざし
02かごかき
03さくらさくら
04八重桜
05天の原
06風雅小唄
07かもめ
08行脚僧
09花売娘
10藝者
11力車
12つばくろ
13富士山
演奏
貴志康一指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 [2] マリア・バスカ(S)