ミニ・レビュー
近藤のバッハ演奏は、各作品の構造美を重視した節度ある表現ながら、絶えず歌心に満ちている。注目すべきはやはり「6声のリチェルカーレ」だろう。二つのテンポ設定による別ヴァージョンを収録し、作品のさまざまな可能性を引き出したその演奏からは、祈りのような真摯さや劇的な力強さが感じられる。★
収録曲
J.S.バッハ:
01半音階的幻想曲とフーガ ニ短調BWV903
02幻想曲とフーガ イ短調BWV904
03音楽の捧げものBWV1079〜3声のリチェルカーレ
04音楽の捧げものBWV1079〜6声のリチェルカーレ
05最愛の兄の旅立ちに寄せるカプリッチョ変ロ長調BWV992
064つのデュエットBWV802-805
07イタリア協奏曲ヘ長調BWV971
08音楽の捧げものBWV1079〜6声のリチェルカーレ