[Disc 1]〈PiECE OF LOVERS〉
01魂を抱いてくれ
95年にリリースされたテレビ朝日系ドラマ『風の刑事・東京発!』主題歌。松本隆が作詞を手がけており、ミディアム・テンポの力強いサウンドとともに歌われる“魂を抱いてくれ”のサビは強烈な印象とともに耳に飛び込んでくる。
02DEAR ALGERNON
88年に発表されたソロとしては2枚目のシングル。“I WANNA FEEL MY LOVE”のフレーズが続くサビを中心に、メロディ自体はシンプルな構成だが、間奏では変拍子を取り入れるなどアレンジでひと捻り。語尾を投げ出すような歌唱もクール。
03STORMY NIGHT
リヴァーブをたっぷりと効かせたサウンドがどこか幻想的な世界を作り出すバラード。“嵐の夜”というタイトルが象徴するつらい孤独や失った夢ではなく、まぶしい夜明けを二人で待とうとやさしく歌いかける。余韻に満ちたアウトロも印象的。
04RAINY BLUE
ミリオンヒットを記録した『Memories Of Blue』収録のドラマティックなバラード。曲全体のサウンドやメロディは優しく響くが、随所にどこか不穏な響きが潜む。エモーショナルな氷室のヴォーカルに胸を鷲掴かみにされるよう。
05MOON
アルバム『Higher Self』収録曲として発表され高い人気を誇るナンバー。ギターのみではじまるイントロから徐々に熱を帯びていく、ダイナミクスに富んだアレンジが施されたバラードで、優しく語りかけるようなヴォーカルも見事。
06ALISON (vocal retake&remix)
ソロとしての1stアルバム『FLOWERS for ALGERNON』収録のゆったりとしたラヴ・ソング。ドリーミィな響きを持たせた幻想的なサウンドだが、氷室ならではのエモーショナルなヴォーカルで熱い思いを歌い上げる。
07LOVER'S DAY (vocal retake&remix)
90年のシングル「JEALOUSYを眠らせて」のカップリングとして発表されたミディアム・ナンバー。もう戻ることのない大切な人との思い出を噛み締めるように歌った切ないラヴ・ソングで、余韻に満ちたラストに胸が締め付けられる。
08Julia
森雪之丞が作詞を手がけたミディアム・ナンバー。“すべてを投げ棄てて 愛してみたかった”と後悔の念を感じつつ、今はもういない“Julia”への想いを歌い上げる。切ない物語を包み込むような温かなサウンドが深みを与えている。
09ダイヤモンド・ダスト
フジテレビ系ドラマ『氷の世界』の主題歌として起用された18枚目のシングル。まるでダイヤモンドが放つ光をそのまま音にしたかのような、神聖な響きを感じさせる。氷室ならではの歌いまわしもたっぷりと盛り込み、永遠の愛を歌う。
10LOVE SONG
89年のアルバム『NEO FASCIO』収録のバラード。これ以上ないシンプルなタイトルが潔く、音数を少なくすることによって氷室のヴォーカルの魅力が際立っている。どこかミュージカルのワンシーンを思わせるラストも印象的。
11堕天使
スティーヴ・スティーブンスがアレンジに参加した、スケールの大きなミディアム・チューン。“堕天使”というフレーズから抱くイメージとはほど遠い優しく神聖な響きで幕を開けるが、かすかに潜む不穏な空気は中盤に爆発。アレンジの妙が光る。
12炎の化石
98年のベスト・アルバムで発表後、2000年にシングル・カットしたナンバー。作詞を手掛けた森雪之丞ならではの象徴的なモチーフを多用した言い回しに、切なさと色気に満ちたヴォーカルがぴったりとハマっている。
13WALTZ
6枚目のアルバム『MISSING PIECE』から97年にシングル・カットされたバラード。アコースティック・ギターのアルペジオを中心に、ピアノやストリングスで幻想的な世界を構築。強弱をつけた奥行きのあるヴォーカルが見事だ。
14ARROWS
夢とお前を守るためなら生きてゆける……まっすぐな想いを歌い上げる感動的なバラード。アコースティック・ギターとヴォーカルによる導入は優しさに満ちており、ゆったりとした伸びやかなサビのメロディが胸にじわりと沁みてくる。
15TRUE BELIEVER
ホッピー神山が作曲に参加したミディアム・テンポのロック・チューン。大地にしっかりと足をつけた大きなスケールを感じさせるリズムを下敷きに、愛と夢を信じて進んでいく主人公の姿を描く。転調するラストの開放感は秀逸。
[Disc 2]〈INVARIANT SOULS〉
01ANGEL
88年に発表されたソロ・デビュー・シングル。“ONE WAY SO FAR AWAY〜”というキャッチーな英語詞のフレーズによって幕を開けるビート・ロック・ナンバーで、エッジのたったギターと隙間を彩るシンセサイザーが印象的だ。
02CALLING
89年『NEO FASCIO』での発表後、2005年に『FINAL FANTASY VII ADVENT CHILDREN 』のイメージ・ソングとして起用されたスケールの大きなロック・ナンバー。空に飛び出していくようなサビの爽快感は格別だ。
03VIRGIN BEAT
カメリアダイヤモンドのCMソングとして話題を呼んだ10枚目のシングルは、ギターのカッティングで推進力を生み出したロック・ナンバー。“VIRGIN BEAT〜”のサビの破壊力は抜群で、伸びやかなメロの中盤との緩急もうまく作用している。
04KISS ME
氷室京介を代表するナンバーとして人気の高いロック・ナンバー。一度耳にしたら離れない強力なフックとして作用するサビを活かしたアレンジで、松井五郎の歌詞も見事にハマっている。イントロのギターのカッティングから隙のない構成だ。
05MISSING PIECE
「STAY」のカップリングとして発表、のちに6枚目のアルバムのタイトル・チューンにもなったナンバー。どこかトライバルな雰囲気も漂うフレーズをベースに、君だけを探してさまよい歩く姿を描いたヴォーカルは、不思議と安らぎすら感じさせる。
06STRANGER
クリーントーンのギターによるアルペジオやキーボードによる裏打ちなど、スタイリッシュなサウンドがクールなロック・チューン。ティーンエイジャーの危うい雰囲気が漂う歌詞にも良く似合う、どこか投げやりでニヒルな歌唱が魅力的だ。
07JEALOUSYを眠らせて
フジテレビ系ドラマ『恋のパラダイス』主題歌となった5枚目のシングル。ディレイを効かせたギターのフレーズやシンセなど、夏っぽい爽やかなテイストでまとめられたアップ・テンポのナンバーで、少しキザな歌詞も違和感なく響いている。
08SUMMER GAME
思いっきり歪ませた“ワルい”ギターによるイントロからアッパーなテンションで突き進む3rdシングル。タイトルどおりキラキラとした夏の恋物語を歌っており、開放感に満ちたサビのメロディと甘めの言葉に否応なく気分が高まる。
09EASY LOVE
2006年に発表されたシングルで、荒涼とした広大な大地を思わせるストレートなロック・ナンバー。程よいテンポのシンプルな8ビートで進んでいくが、ラストのセッションのような各パートのせめぎ合いは熱い。淡々とした歌唱との対比もおもしろい。
10BANG THE BEAT
氷室本人が出演したアサヒ「グリーンコーラ」CMソングにもなった2010年発表のシングル。“ヒムロック”ならではの力強いロック・チューンで、イントロの激しいドラムの一音目から即座に心を掴まれる。迫力に満ちたヴォーカルもさすが。
11NORTH OF EDEN
映画『藁の楯 わらのたて』主題歌の29枚目のシングルは、ロブ・カヴァロをプロデューサーに迎えたスケールの大きなハードロック・ナンバー。ダイナミズムに富んだアレンジをバックに、細かく表情や強さを変えるヴォーカルでストーリーを綴っていく。
12Bloody Moon
YUKIHIDE TAKIYAMAと組んだGOSPELS OF JUDAS名義で発表したPS3『龍が如く5』オープニング・テーマ。“伯爵”“メデューサ”などのフレーズが目を引く歌詞をはじめ、中世的な世界を感じさせるサウンドが新鮮に響く。
13WARRIORS
学校法人・専門学校HALのCMソングに起用された28枚目のシングル。カラッとしたギターを中心としたアメリカンなテイストのロックンロール・ナンバーで、エロめな歌詞も魅力的。大きなステージで満員のオーディエンスを煽る姿が目に浮かぶようだ。
14IF YOU WANT
日本テレビ系『NEWS ZERO』テーマ・ソングとして自身が作詞曲を手がけて書き下ろしたナンバー。誰もが持つ“明日を変えるチカラ”の存在を教えてくれる感動的な言葉が、温かな響きに満ちたドラマティックなサウンドとともに胸に迫る。
15The Sun Also Rises
25周年を記念したベスト・アルバムのラストを飾る新録曲。ピアノやストリングスが彩る壮大なバックに負けぬエモーショナルなヴォーカルによって歌われる“陽はまた昇る”というメッセージは、下を向いてしまいそうなときにやさしく寄り添ってくれる。