ガイドコメント
2004年5月にスタートした、「UA SUN 2004」の模様を収録。すみだトリフォニーホール公演でのパフォーマンスをメインに、そのヴィヴィッドでスリリングなヴォーカルを味わうことができる。
収録曲
01そんな空には踊る馬
02バラ色
静かにせめぎあう音のセッションとそれに相反するように伸びやかに突き抜けていくUAの歌声の対比が印象的なナンバー。クライマックスの波紋状に広がっていくグルーヴの渦はただただ圧巻の一言。有象無象を飲み込む、神懸かった演奏を堪能できる。
03ドア
気まぐれに跳ねるベースやギターの音色は一見不協和なようだが、それらがやがてルーズなメロディを練り上げていき、ドラマティックなストリングスが曲全体を盛り上げていく。アヴァンギャルドなようでいて実はしっかりポップだ。
04波動
AJICOの楽曲をセルフ・カヴァー。ジャズ調にアレンジされ、よりしなやかに、躍動的に変化したサウンドが、極度の緊張感でせめぎ合い、一瞬もだれることなくラストまで一気に聴かせる。菊地成孔によるテナーのテンションも凄まじい。
05情熱
06スカートの砂
朝本浩文プロデュースによるレゲエ・フレイヴァーなシングル曲。スティール・ドラムをメインに置いたオーガニック風味の乾いたサウンドが、海風のように吹き抜けていく。LITTLE TEMPOの佐々木育真がギターで参加。
07TORO
スウィングなメロディとブラスのフレーズが曲の世界を鮮やかに彩るジャジィな一曲。緊張感あふれるセッションに負けない存在感を放つUAの歌は流石の強さ。ジャズ・ヴォーカリストとしての存在感をはっきりと示している。
08踊る鳥と金の雨
09Lightning
ジャズっぽさを感じさせつつも割と聴きやすい曲に仕上がっている。といっても、巷にある大人びた雰囲気だけのジャズっぽさとは一線を画した、独特のアクの強さを感じさせる世界観はさすが!
10太陽ぬ落てぃまぐれ節
奄美民謡のカヴァー。呪術的ともいえるアヴァンギャルドなアレンジが、強力な酩酊感を呼び起こし、オーディエンスを一気に宇宙へと引き連れていく。12分にわたる壮大なナンバーだが、それを感じさせないほど至福に満ちあふれている。
11雲がちぎれる時
アコースティックなポップ・ミュージックとしてのフォーマットを取ってはいるものの、UAのヴォーカルが圧倒的な迫力で迫る6thシングル。哀愁漂うメロディと魂を揺さぶる歌声に、思わず身震いしてしまうほどの名曲。