ガイドコメント
2ndまでデスティニーズ・チャイルドに在籍していたラトーヤの1stソロ・アルバム。シングル曲「Torn」など、天才的な歌唱力を最大限に生かした王道的R&Bが満載。ジャーメイン・デュプリら大物プロデューサーが参加。
収録曲
01INTRO
ラトーヤと同姓のG.ラケットなる人物とB.Pitreが共作した、ソロ1stアルバムの1分弱のイントロダクション。コーラス・フレーズのサンプリングのループをバックに“T・O・Y・A……”と自身の名をスムースに告げ、ソウルフルな歌唱を披露している。
02U GOT WHAT I NEED
アルバムに先駆けシングル・カットされたソロ・デビュー曲。ヒップホップ・プロデューサー、ジャスト・ブレイズによるラヴ・アンリミテッド「恋の雨音」の早回しネタ使いをバックに、“ずっとそばにいて”と明朗快活に歌うソウルフルなミディアム・チューン。
03SO SPECIAL
テディ・ビショップのプロデュースによる、波がせり立つようなピアノ・ループとクラップ・ビートがリードするミディアムR&B。“いい男が側にいるなら、彼はスペシャルだって言うべき”と、自由奔放に充実感あふれる伸びやかなヴォーカルを披露している。
04TORN
スタイリスティックスの名曲「ユー・アー・エヴリシング」を大胆にサンプリングしたアルバム・リード・シングル曲。彼との関係を続けるかどうか思い悩む女性を、ラヴリーなヴォーカルで披露するスローR&Bバラード。テディ・ビショップ制作。
05WHAT LOVE CAN DO
アトランタのプロデュース・チーム、コーナー・ボーイズ制作のミディアム・ヒップホップ・ソウル。緊張感漂う“メアリー・J”風のトラックと美しくなめらかなヴォーカルの対比が絶妙。恋人に依存しすぎて、このままか離れるかと困惑する女性の気持ちを歌っている。
06SHE DON'T
スピナーズ「ウィ・ビロング・トゥゲザー」を使った、ウォルター・ミルサップ制作のソウルフルなミッド。なめらかな歌唱で元彼に“必要なのは今の女より私”と詰め寄る内容で、それに戸惑う男を、制作集団“The Clutch”のキャンディス・ネルソンが好演。
07TEAR DA CLUB UP
ジャジー・フェイが手掛けた原曲を、ワイン・Oがヒューストン・タウン・スタイルにリミックスしたクラブ・チューン。“オーライ、オーライ”のループや威勢のいいバン・Bのラップが享楽的な雰囲気を醸し出すクラバー賛歌だが、ラトーヤはあくまでもたおやか。
08ALL EYES ON ME
リアーナ作品でも知られるジョナサン“J.R.”ローテムによるエキゾティックなパーティ・チューン。“みんな私が欲しいんでしょ?”とクラブの男どもの視線を独り占めする心境を歌う。共演のポール・ウォールのクールで妖しいラップは、ゾクゾクするほどだ。
09HEY FELLA
愛らしいコーラスで“私の男になれる器量がある?”と挑発しつつ“あなたを知りたいわ”と誘惑する、メランコリックなミディアムR&B。ラトーヤを口説きに入るスリム・サグのラップと絡むバランスもグッド。シアラ作品で知られるフラッシュ・テクノロジー制作曲。
10GANGSTA GRILLZ
ラトーヤや制作のテリー・アレン、共演ラッパーのマイク・ジョーンズとキラー・カイリオンという同郷出身によるヒューストン賛歌。“歯に金や宝石を埋める”意のタイトルどおり、ギラギラしたギャングスタ調の“スクリュード・アップ”を巧みにR&Bに組み込んだ意欲作。
11OBVIOUS
ブライアン・マイケル・コックスのプロデュースによるソウルフルなメロウ・バラード。“恋愛中はわかりきったことも見逃すわ”と恋人とのすれ違いを嘆く内容を、ほどよいアダルトな芳香のヴォーカルで表現している。
12I'M GOOD
ビヨンセ「ベイビー・ボーイ」で注目を浴びた、スコット・ストーチのプロデュース作。シンセを中心としたアッパー・チューンで、もてあそんだ男に“もうアンタなんて気にしてないわ”と言い放つ、芯の強いヴォーカルが痛快。
13THIS SONG
ジャーメイン・デュプリとブライアン・マイケル・コックスの共同制作曲。詞にR.ケリーやディアンジェロの曲名を採り入れながら、“メイク・ラヴするためだけに書いた曲”について歌っている。ロマンティックでセクシーなミディアム・スローR&Bだ。
14OUTRO
アルバム『ラトーヤ』のアウトロ・トラック。「イントロ」同様、ラトーヤと同姓のG.ラケットなる人物とB.Pitreの共作曲。ヨランダ・アダムス「ジャスト・ア・プレイヤー・アウェイ」をサンプリングし、それに合わせて口ずさむラトーヤが何ともキュート。
15TORN
アルバム『ラトーヤ』のボーナス・トラックで、ジャーメイン・デュプリによるリミックス。「ギャングスタ・グリルズ」で共演のマイク・ジョーンズとデフ・ジャムの新星、リック・ロスをラッパーに迎え、原曲よりもアーバンでキレのあるテイストに仕上げている。