ガイドコメント
2011年6月1日リリースの6thアルバム。『機動戦士ガンダム』シリーズ19年ぶりの劇場版主題歌「クオリア」、東京ドーム公演1曲目となった「NO.1」などのシングルを含む、5周年を経てさらなる成長と飛躍が感じられる充実作だ。
収録曲
01CORE PRIDE
叶わない絵空事だとしても胸に燃やす火(=プライド)は消せやしないと叫ぶ、直情的な詞が心を穿つ。自問自答的な自伝的ストーリーを刺激的に描くドラマティックなミクスチャー・ロックだ。MBS・TBS系アニメ『青の祓魔師』オープニング起用の19thシングル。
02いつか必ず死ぬことを忘れるな
他人の死を悲しむだけじゃなく、限られた時間で生き抜くことを全うしろ、“甘えてんじゃねぇぞ”と強烈なメッセージを叩きつける。誰にでも訪れる“定め”までに躊躇する時間なんてないと急かすようなアッパー・ビートが襲うロック・チューンだ。
03一石を投じる Tokyo midnight sun
冒頭にasamiのソウルフルなコーラスを配した、ヒップホップ的アプローチによるグルーヴィなナンバー。上京して感じた大都会・東京の光と闇を強烈に皮肉っている。東京というブランドに溺れた世界に一石を投じる、強い心意気がみえる。
04ace of ace
“アウト・イン・アウト”“デグナーカーブ”などサーキット用語を駆使したアグレッシヴなロック。ミクスチャー調のヘヴィなフックと疾走するヴァースの組み合わせが、スリリングなレースを想起させる。俺がエースだ! と自己を奮い立たせるワイルドな曲だ。
05NO.1 (album ver.)
初の東京ドーム公演の冒頭曲として制作された17thシングル。文字どおり“俺たちが1番!”と宣言するパンキッシュな曲で、“ラヴ、ラヴ……サイキック”のフックがキャッチー。幼き頃の夢を語る中盤のノスタルジックな転調パートが効果的だ。
06クオリア
16thシングルは映画『劇場版 機動戦士ガンダム00』主題歌。ストリングスと鍵盤を配したロッカ・バラードで、ラストの生々しい“やっと出逢えたんだね”の歌声が沁みる。説明できなくても確かに二人の間に存在する感情(=クオリア)を着飾らずに歌う。
07シークレット
誰にも知られちゃいけない横恋慕について歌ったシークレット・ラヴ・ストーリー。変装した君に気づかない彼よりも想いが深い分、思いどおりにならないもどかしさ……。虚しい心情を描写したもの憂げな歌唱が胸を打つ。
08勝者臆病者
馬鹿正直な人に対して、勝敗の決め手となる目を鍛えろと諭すヘヴィなアッパー・ロック。「金の斧銀の斧」「狼と羊飼い」「鶴の恩返し」の寓話をコミカルな演出で組み込んだアイディアが見事。遊びを真剣にやったような楽しくも質の高い一曲だ。
096つの風 (album ver.)
17thシングル「NO.1」収録曲のアルバム・ヴァージョン。「幸福」「不幸」「無」「苛立ち」「懐かしさ」「金」の6つの風を見極める力が大事だと力説するアグレッシヴなビート・ロックだ。自ら風を起こせという日本人へ向けての叱咤ともとれる。
10一億分の一の小説
センチメンタルなメロディ・ラインと押し寄せる波のように迫りくるドラム・ビートが絶妙にシンクロしたパンク・ロック。不確かな未来を確かなものにするための願いを、小説の最後に素敵な物語を書き足そうというロマンティックなストーリーだ。
11MONDO PIECE
初の東京ドーム公演のエンディングで流れ、リクエストによりシングル・カットされた18枚目。ストーリー性あるロック・サウンドの上で語られるのは、不器用で失敗しながらも自身が選んできた道の大切さ。本当に出会えてよかったとメンバーたちへの本音も吐露している。
12白昼夢
生々しくかき鳴らされるギターと弦一徹の流麗なストリングスが躍動する、強い生命力を感じるミディアム・ロック。悲しい過去を忘れさせるのではなく、それに立ち向かえる歌をとの想いが、叫びのような歌唱から伝わってくる。はかなくも活力ある旋律には希望が見える。