ミニ・レビュー
待望のセカンド・アルバム。あえていえば“歌う楽器”としてのピアノを意識した選曲と演奏だろうか。ショパンの夜想曲やマズルカは言うに及ばず、リストではシューマンやシューベルトの歌曲の編曲を取り上げ、情感豊かな歌わせ方は成熟したしなやかさを痛感。むろん超絶的な曲もあり充実度は大きい。
ガイドコメント
12歳でCDデビューした牛田智大の2作目。前作での挨拶がわりの小品集といった無難な選曲ではなく、この1年じっくりと取り組んできたショパンとリストに的を絞っている。牛田の真の実力を問うた一枚だ。
収録曲
リスト:
01献呈 (君に捧ぐ) (シューマンの歌曲による)
ショパン:
02夜想曲第1番変ロ短調op.9-1
03夜想曲第3番ロ長調op.9-3
04バラード第3番変イ長調op.47
05マズルカ第36番イ短調op.59-1
06マズルカ第37番変イ長調op.59-2
07マズルカ第38番嬰ヘ短調op.59-3
リスト:
08パガニーニ大練習曲第6番「主題と変奏」
09セレナーデ (シューベルトの歌曲による)
10ハンガリー狂詩曲第12番嬰ハ短調
11死の舞踏S.555 (サン=サーンスによる)
12巡礼の年第1年「スイス」〜郷愁 (ル・マル・デュ・ペイ)