ミニ・レビュー
2005年11月14日、小菅優のカーネギー・ホール・デビューのライヴ録音。カーネギーの小ホール(ワイル・リサイタル・ホール)でのリサイタルで、その演奏には、20歳過ぎとは思えない落ち着きがあり、親密感に満ちている。バッハ(ブゾーニ編曲)の「シャコンヌ」やベートーヴェンの「熱情ソナタ」などの重厚な曲が続くが、その最強音は、決して力ずくにならず、常に程良い大きさで鳴らされる。そしてピアノらしい音色感が素晴らしい。もちろん、ハイドンでの軽快さやリストでの技巧性もとても魅力的である。
ガイドコメント
2005年のカーネギー・ホール・デビューのリサイタルを完全収録。ベートーヴェン、ハイドン、武満は初の録音で、アンコールの3曲もまた秀抜な演奏だ。聴衆を熱狂させた記念すべき記録が楽しめる。
収録曲
[Disc 1]
01シャコンヌ ニ短調 (無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番ニ短調BWV1004より) (バッハ/ブゾーニ編)
02ピアノ・ソナタ第42番二長調Hob.16-42 (J.ハイドン)
03ピアノ・ソナタ第23番ヘ短調op.57「熱情」 (ベートーヴェン)
[Disc 2]
01雨の樹 素描 (武満徹)
02ダヴィッド同盟舞曲集op.6 (シューマン)
03「ゴイエスカス」〜第4曲 嘆き、またはマハと夜うぐいす (グラナドス)
04超絶技巧練習曲集〜第5番変ロ長調「鬼火」 (リスト)
05夜想曲第20番嬰ハ短調遺作 (ショパン)