ミニ・レビュー
フジロックも大成功、もはや“向かうところ敵なし状態”の彼らが去年、日本で行なったライヴを音源化。圧倒的な音圧とマニを中心に繰り出される重厚なグルーヴが、ライヴの臨場感そのままに封印された傑作だ。ケヴィン・シールズによるミックスが光る。
ガイドコメント
プライマル・スクリーム初のライヴ盤は、2002年の来日公演の模様を収録。ベスト盤的に代表曲が網羅されているうえ、ジョニー・サンダースのカヴァー「ボーン・トゥ・ルーズ」も必聴。
ガイドコメント
プライマル・スクリーム初のライヴ盤は、なんと2002年の来日公演の模様を収録。ベスト盤的に代表曲が網羅されている上、ジョニー・サンダースのカヴァー「ボーン・トゥ・ルーズ」も必聴だ。
収録曲
01ACCELERATOR
2002年11月16〜18日のZepp Tokyo公演での音源。スタジオ版に匹敵する迫力のノイジィなガレージ・ナンバー。リズム隊が生み出すコシと粘りに支えられたハイ・ヴォルテージな演奏に、観客は早くも昇天状態だ。
02MISS LUCIFER
2002年11月16〜18日のZepp Tokyo公演での音源。エレクトロ・ガレージ・ブギな原曲を、エレクトロの数値を下げ、ガレージの数値を上げメタリカルにプレイ。ロックンロールの暴力性がさらに強調された音源だ。
03RISE
2002年11月16〜18日のZepp Tokyo公演での音源。スタジオ版でのダビーなサウンドに比べ、こちらはバンド・サウンドを主体にしたアレンジ。剥き身になったサウンドが、むしろ楽曲の挑発的な表情を強めている。
04SHOOT SPEED/KILL LIGHT
2002年11月16〜18日のZepp Tokyo公演での音源。スタジオ版でギターを弾いたバーナード・サムナーが不参加のため、原曲にあったニューウェイヴ感覚は減退。その反動か、曲全体に殺伐とした雰囲気が湧き出ている。
05PILLS
2002年11月16〜18日のZepp Tokyo公演での音源。ボビーがラップを聴かせるヒップホップ・ナンバーを生演奏のグルーヴを強調したアレンジで披露。ライヴだからか、最後の「ファック」と「シック」の連呼は控えめだ。
06AUTOBAHN 66
2002年11月16〜18日のZepp Tokyo公演での音源。クラフトワークの曲名を文字ったテクノ色が強い曲だ。ここでは過去最強の呼び声も高い布陣での演奏力を活かして、強烈な人力テクノ・サウンドを展開する。
07CITY
2002年11月16〜18日のZepp Tokyo公演での音源。ストーンズ濃度の高さではトップクラスに入る曲を、さらに濃度を高めてプレイする。「東京は病んだ都市だ」のMCには、“わかったふり”したファンの「イェーッ!!」。
08ROCKS
2002年11月16〜18日のZepp Tokyo公演での音源。「シティ」に続いて登場したのは、これまたローリング・ストーンズ血中濃度の高いナンバー。ブレイクのきっかけになった曲だけに、イントロと同時に会場が爆発。
09KOWALSKI
2002年11月16〜18日のZepp Tokyo公演での音源。原曲同様、映画『バニシング・ポイント』での台詞を引用。ライヴならではのラフな感触のサウンドが曲の持つ刹那的な魅力を拡大し、台詞の引用もより効果的に感じられる。
10SWASTIKA EYES
2002年11月16〜18日のZepp Tokyo公演での音源。警報のようなサウンドを受け、悶絶フロア・チューンが速めのBPMでスタート。複数あるヴァージョンのうち、ここでは“スペクター・ミックス”が採用されている。
11SKULL X
2002年11月16〜18日のZepp Tokyo公演での音源。スタジオ版はノイジィなギターが際立つミックスだったが、ここではバランスの良い演奏になっており、マニの弾くジョン・エントウィッスル級ベースの凄みも顕著に感じられる。
12HIGHER THAN THE SUN
2002年11月16〜18日のZepp Tokyo公演でのアンコール1回目の1曲目に披露された、彼らの代名詞的ナンバー。ヴァージョンが複数存在するこの曲だが、ここでは各音源の魅力が融合したライヴならではの演奏が聴ける。
13JAILBIRD
2002年11月16〜18日のZepp Tokyo公演でのアンコール1回目の2曲目。彼らが米国南部ロックへと急接近していた時期の曲だが、メンバーの入れ替わりやホーン隊の不在もあり、まるで違った曲のように聴こえる。
14MOVIN' ON UP
2002年11月16〜18日のZepp Tokyo公演でのアンコール1回目の4曲目。この曲を発表した時にはストーン・ローゼズに所属していたマニが、いまでは一緒にこの曲をプレイ。当事をリアルタイムで知るファンほど興奮度が増す熱演だ。
15MEDICATION
2002年11月16〜18日のZepp Tokyo三日連続公演中、最終日のみ行なわれた2度目のアンコールでの1曲目。グレン・マトロックがベースを弾いたスタジオ版に比べ、マニが弾くこちらは演奏にうねりと黒みが増している。
16BORN TO LOSE
2002年11月16〜18日のZepp Tokyo三日連続公演中、最終日のみ行なわれた3度目のアンコールは、ジョニー・サンダースの名曲カヴァーで締め。ファンの好反応に、バンドも大団円にふさわしいノリまくりの演奏で呼応。