ミニ・レビュー
インディ時代の人気曲(6)の新録版を含む、ストレイテナー初のフル・アルバム。メジャー移籍後も変わることのないアクセル全開のポップ・チューンにホッと一安心。なお、ライヴ映像を使用した(1)のPVがCDエクストラとして収録されている。
ガイドコメント
2000年のデビュー以来初となるフル・アルバム。彼らの真骨頂といえるオープニング・ナンバーやインディーズ時代の佳曲「DJ ROLL」新録ヴァージョンほか、全ロック・ファン必聴の力作だ。
収録曲
01A SONG RUNS THROUGH WORLD
攻撃的なギター・リフとタイトなビートが曲を一気に沸点へもっていく音の逞しさは格別。1stメジャー・アルバム『ロスト・ワールズ・アンソロジー』のオープニングを飾るにふさわしい、彼らの魅力が凝縮された一曲。
02TRAVELING GARGOYLE
最高にメロディアスな歌と緩急をつけ爆発を繰り返すリズム隊の強靭さ。この2つの要素がせめぎあいスピードを落とすことなく最後まで疾走。テンションをMAXに振り切った、ライヴでは必要不可欠なテナーの代表曲。
03TOWER
アルバム『ロスト・ワールズ・アンソロジー』の中でも荒っぽさのないポップネスに富んだ作品。シャラシャラと鳴らされるアコギの響きとラブ・ソングともとれるメロウな歌からは、曲の持つ優しさが自然と伝ってくる。
04DON'T FOLLOW THE LIGHT
混沌とした詞が陰りある空気をまとって歌われるロックンロール。それを煽るように、無造作にかき鳴らされるアコギや一心不乱にリズムを打ちだすドラムのスリリングなサウンドが、繊細な心の動きを表わしている。
05MAD PIANIST
架空の物語の中で封じ込められた想いを解き放っていく、という解放的な歌。詞の世界観を表現するような軽やかなギター・カッティングやしなやかなビートが、楽曲全体を牽引。切れ味のよいエモに仕上げた一曲だ。
06奇跡の街 (RADIO FREAK EDIT)
メロウなコード進行でゆっくり進められるミディアム・テンポのナンバー。聴き手の感覚にすっと繋がっていく、温かさと切なさが同居する言葉のパワーと、繊細なヴォーカルが伝えるメロディの良さが発揮されている作品だ。
07STAINED ANDROID
ギラギラした鋭い歌声が心臓を突き刺すアグレッシヴな一曲。激しく突き進む楽曲の中にもヒネくれたリズム・アレンジをみせるなど、彼らのこだわりが随所に感じられるトラックだ。
08FREEZING
サビを“FREEZING”の一単語で押し切る大胆な曲だが、キャッチーなメロディで口ずさみやすさはピカイチ。規則的なカッティングやメロディを奏でる多彩なギター、自在に動くベースなどプレイの幅広さにも注目。
09DJ ROLL (VIDEO ADDICT EDIT)
退屈な日々を過ごすDJ ROLLという架空の人物の物語を通し、前に進みたいという欲求が込められた作品。それ故に悲しげなヴォーカルの中にも強さが潜在する、危うげなバランス感覚のメロウ・チューンに仕上がっている。
10MAGIC WORDS
瞬発力に富んだパワフルなリズムとそれに負けないヘヴィなギターで、最高の盛り上がりをみせる怒涛のロック! 曲後半ではメロウな曲展開をみせるなど、熱狂と鋭い冷静さを持つテナーらしさが集約された一曲となっている。
仕様
※〈CDエクストラ〉内容:A SONG RUNS THROUGH WORLD (PV)