[Disc 1]〈LOUD DISC〉
01The Day dragged on
ゴリゴリのサウンドで押すロック・チューン。3ピース・バンド時代の楽曲ゆえアレンジはごくごくシンプル、さらに長さも2分程度の短いものだが、“悪いのは僕だけとずっと思ってた”と綴るKjの叙情的な歌詞が印象的だ。
02羊を数えても夜は終わらない
パンク/ハードコアなテイストを前面に押し出したラウドなナンバー。不満を吐き出すようにがなる前半からサウンドは一貫して攻撃的だが、サビではポップなメロディもしっかりと披露。バンドとして、さらにメロディメイカーとしての奥深さも垣間見せてくれる。
03Rainy Day And Day
97年発表の1stシングル。馬場育三のスラップ・ベースでファンク的なアクセントを与えつつ、さまざまなジャンルを吸収したいわゆる“ミクスチャー”な音が展開。ダイナミズムに富んだアレンジもハマり、エフェクトを加えたKjのヴォーカルも映える。
04Iceman
2ndアルバム『Buzz Songs』のシークレット・トラックとして収録、まさに“隠れた”名曲としてファンの間で話題を呼んだナンバー。高速で駆け抜けるメロコア風のテイストを中心としながら、伸びやかなメロディがスケールの大きさを感じさせる。
05Drugs can't kill teens
全編英語の詞で綴られるパンク・チューン。生き急ぐティーンたちを表わしたような性急なビートをバックに、“俺にドラッグはいらない 自分自身のために戦え”と力強く、そして痛快に歌い上げる。スカのビートで変化をつけるアレンジも楽しい。
06Just I'll say
去っていった君を想いながら、もう伝えることのできない言葉を反芻する悲しげなナンバー。切ない内容の歌詞、マイナー調のコード展開とは裏腹に、全編軽快なスカ・アレンジで進むのがユニーク。あらゆるジャンルをサラっとこなすセンスが光る。
07Deep Impact (feat.Rappagariya)
ラッパ我リヤを迎えて制作された7thシングル。“鼓膜に直接コンタクト”をとるようなダイナミックなトラックをベースに、日本の音楽シーンに強烈なメッセージを発信。Kjのリズミカルなラップと、山田マンとQによるディープなラップとの対比も楽しい。
08Amploud
9thシングル「Lily's e.p.」に収録、SONY「オーディオキャンペーン」イメージ・ソングに起用のナンバー。自然と体を揺らしたくなるようなファンキーなトラックにのる“Make mo' noize”のフックが印象的。
09百合の咲く場所で
彼らにとって象徴的なアイコンでもある“百合の花”が咲くこの場所で歌う……美しい風景が強烈に印象に残るナンバー。ゆったりとした前半部分をもどかしいほどに引っ張り、サビで突き抜けるように爆発するアレンジも爽快だ。
10Snowscape
スノーボードをテーマにしたアップ・チューン。デジタル・ハードコアといった形容がピッタリの攻撃的なビートで全編突き進むが、抱く感想はむしろ爽快感で、BOTSのスクラッチも映える。シンガロングしたくなるサビも秀逸だ。
11Fantasista
日本テレビ系『2002 FIFAワールドカップ』テーマ・ソングの11thシングルはド直球のミクスチャー・ロック・ナンバー。グイグイと進む扇動的なビートをバックに、日本語と英語が交じり合った高速なヴォーカルで進む。サビの開放感も出色。
12Posse in Noise
シンプルなリフを武器にグイグイと引っ張るミクスチャー・ロック・ナンバー。Kjが綴るライムと推進力のあるビートとの相性は抜群で、曲にさらなる躍動感を与えている。シンプルな構成だが決して一本調子ではなく、Kjのヴォーカルの魅力を再認識できる。
13Resound (feat.HIDE、136)
HIROKI率いるDt.のMC、HIDEをフィーチャーしたナンバー。レゲエ、ラテン、ブレイクビーツなどあらゆるジャンルを包括し、土着的な雰囲気を残しつつもエッジの立ったサウンドを構築。HIDEの鋭いラップもいいアクセント。
14Develop the music
ハンドクラップやギターのカッティング、パーカッションのビートからコード進行まで、ラテン色が色濃く出たアップ・テンポのナンバー。“音楽を歓喜へ”というメッセージのとおり、どこか本能的な喜びや心地よさ感じさせてくれる。
15Dear Mosh Pit
豊かな大地を想起させるようなゆったりとした導入で幕を開けるナンバー。しかし、ティン・ホイッスルをきっかけに曲調は一変。“Be free”の掛け声とともに、“モッシュピット”へと飛び出していくオーディエンスの姿が目に浮かぶようだ。
16CALLIN'
Dragon Ashにとって初となる配信シングルとして発表されたナンバー。レゲエやカリプソといったさまざまなジャンルをサラッと匂わせつつ、きっちりとまとめあげるアレンジ・センスはさすが。“嘘や怒りも音で洗え”と高らかに呼びかける。
17AMBITIOUS
スカパー!の2010年サッカー・テーマ・ソングに起用の22ndシングル。力強いビートやKjのシャウトで、下を向いていた自分を奮い立たせてくれるようなサウンドを構築。“自分自身で勝ち取ってこそ幸”のメッセージが胸に響く。
18ROCK BAND (feat.SATOSHI、KO-JI ZERO THREE)
山嵐のSATOSHIらをフィーチャー、なんとも直球なタイトルが痛快な23rdシングル(e.p.)収録曲。それぞれの原風景や音楽を目指した理由を歌い上げていく歌詞は、リアルに胸に迫る。疾走感のあるサウンドも爽快だ。
19SLASH
ハードコアよろしくヘヴィなイントロから、音数を一気にぬいてKjのライムを乗せるDAらしいロック・チューン。自らの歩んできた道を思い返しているかのような歌詞の持つ力は絶大。天高く響くラストの高揚感も感動的だ。
[Disc 2]〈PEACE DISC〉
01Public Garden
2ndミニ・アルバムのタイトル・ナンバー。武骨なビートとゴリゴリにエフェクトをかけたベースを中心としたワイルドなテイストのサウンドが展開。優しく囁きかけるような歌声や情感的な風景描写が印象的な歌詞との対比がユニーク。
02Invitation (single ver.)
記念すべき1stシングルのカップリングに収録されたミディアム・チューン。アコースティックなサウンドにのせ、人それぞれ違う見え方のする世の中を歌う。どこか達観したかのようなアンニュイなヴォーカルも歌詞の世界とマッチしている。
03陽はまたのぼりくりかえす
クイーンの「ウィ・ウィル・ロック・ユー」のドラムで幕を開ける2ndシングルはフジテレビ系アニメ『DTエイトロン』オープニング・テーマ。ゆったりとしたサウンドとラップを上質なポップ・チューンへと昇華。力強いメッセージも込められた名曲だ。
04Under Age's Song (single ver.)
1998年に発表された3rdシングル。さまざまな障害や閉塞的な社会を歌いつつ、“強くなって、怖がらずに、高く飛び越えろ”と温かく背中を押してくれる。比較的単調なアレンジだが、不意にビートを抜く遊びがいいアクセント。
05Viva la revolution
ティン・スター「Viva」をサンプリングしたイントロが印象的な3rdフル・アルバムのタイトル・ナンバー。ゆったりとしながらも心を奮い立たせるサウンドは“revolution(革命)”という言葉のイメージにピッタリ。
06静かな日々の階段を (single ver.)
9thシングル「Lily's e.p.」収録、映画『バトル・ロワイアル』主題歌のピースフルなナンバー。日常のなんでもない風景を綴りながら、夢に向かって一歩ずつ進む様を描き出す。“陽はまたのぼりくりかえしていく”のフレーズにニヤリ。
07Lily of da Valley
4thフル・アルバムのタイトル・ナンバー。ノイズにも似たギターとうっすらとサンプリングしているがふんわりとしたヴォーカルをはじめ、全体を包む雰囲気は風に揺れる百合のように穏やかなもの。美しい日本語を多く使ったリリックが印象的。
08花言葉
4thフル・アルバムに収録、彼らにとってはおなじみともいえるアルバムの“隠しトラック”シリーズ。アコースティック・ギターを基調にした穏やかなナンバーで、海の向こうの戦争を知ることなく、百合の花言葉のように“無垢”に生きる子供の姿をうたう。
09Life goes on
J-PHONE(ソフトバンクモバイル)のCMソングとして人気を博した10thシングル。余分な音を徹底的にそぎ落としたシンプルなサウンドをバックに、飾らない仲間たちと楽しむようにうたう姿がほほえましくも心強い。
10Harvest
7thフル・アルバムのタイトル・ナンバー。牧歌的ながらも力強い、祝祭的な雰囲気を感じさせるスケールの大きなサウンドが展開。痛みや悩みはいつかたわわに実った“収穫”をもたらしてくれる、というあたたかなメッセージが心に響く。
11朝凪Revival
15thシングル「夕凪Union」と対をなすようなタイトルを冠したナンバー。身の回りの日常的な風景を綴っているが、分厚いコーラスからなる“Save the tomorrow?”のサビやサウンドからはもっと大きな世界へ向けたメッセージを感じる。
12夢で逢えたら
口笛によるイントロで幕を開けるミディアム・チューン。エモーショナルなKjのヴォーカルが沁みる。狂おしい胸のうちをそのまま音にしたような熱を帯びるサウンド、そして夢が醒めたようにスッと引くアレンジの妙が光る。
13Beautiful
ゆったりとしたアンサンブルとは対照的に肉感的なビートを刻むパーカッションを前に出し、埃っぽいラテンの香りをしっかりと打ち出したナンバー。散々な日々を過ごしても、“一人一人のmusic”を奏でて充実の時を得よう、という前向きなメッセージ・ソング。
14繋がりSUNSET
全体を覆うラテンの雰囲気の中に、レゲエのテイストをアクセントに取り入れた20thシングル。不安定な日々を過ごしていても、声をあげ誰かを求めて人は“繋がり”合っていく……一人じゃないんだという強い想いを抱かせてくれる。
15運命共同体
細やかなアコースティック・ギターのアンサンブルを中心に、スティールパンやパーカッション、コーラスまでをも絶妙に用いてダイナミズムに富んだ物語を紡ぐ大作。新たな船出を祝いともに歓喜の歌を空に捧げるような、心強い仲間の存在を歌う。
16TIME OF YOUR LIFE
23rdシングル「SPIRIT OF PROGRESS E.P.」収録のナンバー。“君が人生の時”を大切に、振り向かず突き進んでいけ、と背中を力強く押す。重めなビートにスティールパンの軽快なサウンドをうまくミックス。変化をつけたアレンジもユニークだ。
[Disc 3]〈BONUS DISC〉
01Dragon Ash trahere Mix (BOTS)
BOTSがDragon Ashの楽曲をリミックスした50分以上にも及ぶ大作。荘厳なファンファーレから「Communication」で幕をあけ、「静かな日々の階段を」のサンプリングまで、彼らの歴史を一気に駆け抜ける。
02Ivory-out loud-
16thシングルのリメイク。アコースティックギターを中心に、全編を覆うのはラテンのテイストだが、微かに聴こえる裏打ちのギターのカッティングがオシャレ。肉感的なビートに体は自然と動き出し、サビのシャウトでは拳を突き上げたくなる。
03Something in view-L&P eternal session-
6thアルバム『Rio de Emocion』の隠しトラックとして収録されていた楽曲をリメイク。鍵盤ハーモニカが奏でるゆるやかなハーモニーを軸にしたレゲエ調のナンバーで、だらだらと身を任せた日々に別れを告げ新たな一歩を綴る。
04花言葉-for peaceful morning- (HIROKI)
4thアルバム『LILY OF DA VALLEY』の隠しトラックのリメイク・ヴァージョン。HIROKIの手によるアコースティック・ギターのインストゥルメンタルで、旋律の美しさも相まってピースフルな世界が描き出されている。