ミニ・レビュー
3年ぶりとなる9作目のオリジナル。4、11曲目のような恋愛ものから、3、7、14曲目のような人類平和を祈ったものまで、“愛”の定義が幅広く、そのどれもが美しい。また、互いの熱量を競ったような氷室、EXILEとの共演(6、10曲目)やJIRO作の5曲目、HISASHI作の9曲目のスパイシーな役割も◎。
ガイドコメント
GLAYの通算9作目となるオリジナル・アルバム。EXILEとのコラボで話題となった「SCREAM」や氷室京介と夢の共演を果たした「ANSWER」、珠玉のバラード「夏音」など、ヒット曲が満載で聴きごたえのある一枚だ。
収録曲
[Disc 1]
01ROCK'N'ROLL SWINDLE (album ver.)
約1年の充電期間を経ての2006年2月の武道館ライヴでお披露目したナンバーを、フルレングスで初収録。「ANYWHERE WE GO」とGLAYの新しいスタートを高らかに歌う。“ロックのペテン”という皮肉めいたタイトルも意味深。
02変な夢〜THOUSAND DREAMS〜
03100万回のKISS
タイトなドラムやアコースティック・ギターの美しい響きを活かしたミディアム・バラード。“やさしいKISSをしよう”という率直なメッセージが、骨太なサウンドや力強いヴォーカルとともにまっすぐに伝わってくるロック・ナンバーだ。
04夏音
風鈴を思わせる鉄琴の音にピアノと弦楽器が重なり幕を開ける、切なくも美しいバラード。亡くなった恋人を思う“僕”の心を無駄のない繊細な言葉で綴っている。喪失感を漂わせる、TERUの痛々しい歌声が感動を誘うナンバー。
05AMERICAN INNOVATION
TAKURO作詞、JIRO作曲による、ドライヴ感あふれるアップ・テンポなナンバー。「これが俺のラスト・ワールドさ」という英語のセリフを挟み、最後のリフレインまで一気に駆け抜ける。スパイ映画を思わせるスリリングなギターの音色がアクセントとなっている。
06ANSWER (album ver.)
メンバーが敬愛する氷室京介をゲスト・ヴォーカルに迎えて、2006年8月に発表したシングルのアルバム・ヴァージョン。近未来的なダンサブル・ロックをバックにした氷室とTERUのツイン・ヴォーカルによる掛け合いは、まさに夢の競演だ。
07僕達の勝敗
恵まれない子供たちの悲しい現実を見つめながら、未来に希望を見出そうとするTAKURO作のメッセージ・ソング。力強いロックの裏で鳴るピアノとアコースティック・ギターの美しい音色が胸に迫る。「やれるさ きっと」という言葉に勇気が湧く。
08サラギの灯
北風の冷たさが伝わってくるような別れの歌。TAKURO作のフォーク風ソングライティングを、GLAY流のアレンジでミッド・バラードに。泣きのギターと哀愁を帯びたTERUのヴォーカルが、悲しみを一層盛り上げる。
09WORLD'S END
情熱的でスウィートな言葉とメロディをめいっぱい詰め込んだHISASHI作のラブ・ソング。コケティッシュなイントロから一転、ハード・ギターがうなるロック・チューンに様変わり。明るいサビの展開が「グロリアス」を彷彿とさせる。
10SCREAM (album ver.)
TBSテレビ50周年記念番組『DOORS』テーマ・ソングとして2005年7月にリリースされた、EXILEとのコラボレーション・シングルのアルバム・ヴァージョン。スクラッチの効いたソウルフルなアレンジはEXILEとGLAYの合作によるもの。
11恋
恋における脆くて繊細な心情を歌い上げたミディアム・スロー・ナンバー。情感たっぷりのメロディを、地に足の着いたバンド演奏が力強く支える。哀愁を帯びたハーモニカとともに、恋にまつわるさまざまなドラマを感じさせるバラードだ。
12I will〜
「I BELIEVE」というリフレインが印象的な、TERU作によるミッド・テンポのメロディアスなナンバー。「立ち止まる場所はない 早く一歩を踏み出して」など、悲しみをたたえながらも前に進もうとする決意が伝わってくる。
13LAYLA (album ver.)
2006年7月にリリースされたシングル「G4」収録曲のアルバム・ヴァージョン。失くした恋を振り返りながら、別れた恋人LAYLAに向けて明日への希望を歌う、TAKUROらしいラブ・ソングだ。
14MIRROR
挫折と約束を切ないメロディで綴ったTAKURO作のアルバム『LOVE IS BEAUTIFUL』のクロージング・ナンバー。成功せずに別の運命を辿った自身たちを写し出す“鏡”を歌ったとも思える、陰のある楽曲で、アイリッシュ風のリフやリズム・ギターのアプローチが、何処となくU2を連想させる。
[Disc 2]〈DVD〉
01ROCK'N'ROLL SWINDLE
02恋
03SCREAM
04ANSWER
05夏音
06100万回のKISS