ミニ・レビュー
暴走する乙女、大塚愛のセカンド・アルバム。今回もヘヴィなギター・リフを大胆にフィーチャーしてダイヴしたり、しっとり泣きながらバラードを歌ったり、大暴れん坊ぶりだが、要はよくできたポップ・ロック・アルバムだと。ドーパミン出まくりの(2)がすごいでしょ。
ガイドコメント
2ndアルバム。森永ICE BOXのCMソング「Happy Days」や日本テレビ系『スーパーテレビ情報最前線』エンディング・テーマの「金魚花火」など、タイアップ曲を多数収録。
収録曲
01スーパーマン
2ndアルバム『LOVE JAM』のオープニング・ナンバー。スコーンと鳴りの良いスネアが響き、ギターの太いサウンドが激しいロック色を打ち出している。サイレンの音や無線のSEを挟み込んだアレンジが楽しい。
02Happy Days
彼女の存在をJ-POPシーンに定着させた一曲で、ポップ・パンク調のエッジが効いたサウンドが特徴の4thシングル。キャッチーなサビはもちろん、歌の中で“一人ボケ、ツッコミ”をかましてしまうセンスに脱帽。
03Strawberry Jam
アコースティック・ギターやパーカッションが膨らみのあるサウンドを支え、軽快なホーン・アレンジがおしゃれで大人っぽい一曲。朝食の風景を切り取った歌詞には思わず笑みがこぼれてしまいそう。
04大好きだよ。
シンプルなメッセージをピアノの音色にのせ、しっとりと聴かせる6thシングル。サビでのかすれそうなファルセット・ヴォイスがなんとも切ない。単純で分かりやすい言葉をくり返す効用はここでも炸裂。
05扇子
2ndアルバム『LOVE JAM』に収録されているミディアム・チューン。隙間の多いラフなサウンドと、刹那さを冗長させる豪華なストリングスは、これまでの彼女にない新境地といえ、しっかり歌を聴かせる。
06妄想チョップ
遊びごころを存分に感じさせる2ndアルバム『LOVE JAM』収録のナンバー。ヴォコーダーを使用したり、打ち込みビートでテクノ風に仕上げたりするあたり、楽しけりゃなんでもあり的な姿勢がうかがえる。
07ポンポン
パンキッシュなテイストを取り込んだ、2ndアルバム『LOVE JAM』収録の高速ナンバー。ポンポンを連呼するあたりに、ぶっとんだ感性が投影されている。ラストはカオス状態でまたもや、ポンポンポンポン……の連呼。
08ふたつ星記念日
ボサ・ノヴァ・テイストで日曜の午後にぴったりのナンバー。かわいらしい女の子の視点で描かれた歌詞と、リラックスした大塚愛の歌声が和みの気分をさらに演出。2ndアルバム『LOVE JAM』収録。
09金魚花火
夏の寂しい終わりを想起させるバラード・ナンバー。ピアノの旋律が淡々と流れてゆくなか、サビでぐっと大きく盛り上がりをみせ、メロディの流麗さは彼女の作品のなかでもピカいち。ラストはジャングル・ビートも効果的に配される。
10黒毛和牛上塩タン焼735円
「牛タン」にスポットを当てるあたり、一見してコミック・ソングになりがちだがそこは大塚愛。キュートなラヴ・ソングになってしまう。ミディアム・テンポの穏やかな曲調にのせて、かわいらしく「お味はいかが?」と落とすあたり、確信犯。
11フレンズ
2ndアルバム『LOVE JAM』のラストを飾る一曲で、ピアノとストリングスのみでスタートするスロー・ナンバー。女の子の切ない失恋を描いた彼女らしい歌詞は、ティーンなら涙がポロりとしてしまいそうな切ない雰囲気。