ガイドコメント
2008年2月のメジャー・デビュー以降のシングルをコンプリートする、西野カナの1stアルバム。WISEをフィーチャーしたヒット曲「遠くても」やm-floのVERBALを迎えた「君の声を」などを含む、充実の楽曲が揃っている。
収録曲
01*Prologue*〜Kirari〜
アルバム『LOVE one.』の冒頭を飾る、文字どおりのプロローグ・ナンバー。恋することがこんなにも楽しく嬉しいという気持ちを、ストリングスを軸としたホープフルなサウンドをバックに歌う。今にも夢の中へ滑り込みそうな、ほんわかとした歌唱が魅力。
02遠くても (feat.WISE)
若い世代の遠距離恋愛をリアルにとらえた5thシングル。会いたい気持ちが募る男女の恋仲は、ありふれた言葉でも宝物へと昇華する。シンプルな鍵盤によるキラキラとしたトラックは、ジョルジョ・カンチェミのプロデュース。
03doll
the agniss制作によるダンサブルなエレクトロ・ハウス。電話をかけてきてと哀願する乙女心やベルが鳴る瞬間のときめき、それが叶わず夜が明けてしまった時の無情さを声色を変えて繊細に表現。ディスコ風のファンキーな味付けがグッド。
04Girlfriend
意中の彼にはすでに恋人がいて、友達どまり……。それでもめげない女の子の恋のチャレンジを歌う、爽快なポップ・ロック。弱気と強気の間を行き来する気持ちを映し出した歌唱が楽しい。SiZKプロデュース曲。
05君の声を (feat.VERBAL (m-flo))
制作のジョルジョ・カンチェミと旧知の仲のVERBALを迎えた、キラキラしたセツナ系ミッド。近くにいるのに寄り添えないジレンマを嘆き、“君の声を聞かせて”とファルセットで歌い上げる。VERBALは西野の世界観に感化されたか、普段よりもフロウは甘め。
06Style.
少年や少女と大人の狭間で葛藤するジェネレーションの代弁をするミディアム・ポップ。もう少し子供でいたいという気持ちを、“カミサマ聞いてよ”と懇願。ジョイフルなサウンドと可憐なヴォーカルが魅力の3rdシングルだ。
07Life goes on...
山木隆一郎プロデュースによるミディアム・スロー。陽光に照らされた水面のような、きらめきのあるアレンジが幸せと安堵を運ぶ。自分の原点である家族や故郷、そして親友へ感謝の言葉を綴った、ハートウォームなメッセージ・ソングだ。
08I
アイデンティティを示す“私”をタイトルにした、SiZK制作のデビュー・シングル。バンド・サウンド風のミッドに乗せ、いつもあなたを愛してると歌う、“I”を強調したコーラス・パートのリズムにも注目。“ケータイ世代のカリスマ”による恋愛ソングの原点がここに。
09candy
グエン・ステファニーやファーギーあたりを意識したようなビッチ風エレクトロ・ポップ。“えっ、ちょマジ?!”“ん〜超上がる”などリアルな口調のガールズトークを展開。西野カナもなりきり度全開の歌唱を披露している。制作はJeff Miyahara。
10MAKE UP
失恋後の女性は是非ともチェックしておきたいナンバー。“落ちてる”日々とサヨナラして自分を磨く“メイク”をしようと、前向きな気持ちをうながしてくれる。aiko風のきらめきポップ調サウンドが心地よい4thシングル。
11glowly days
カラフルなアレンジに心躍る、SiZK制作の2ndシングル。スクールデイズをともに過ごした大切な人たちへ、“がんばれ!”と声を届けている。西野の歌唱も風に後押しされて、スイスイと駆け抜けるよう。新生活に戸惑う人たちへのメッセージ・ソングだ。
12celtic
佐久間誠のキラキラした鍵盤系アレンジが楽曲を輝かせるミディアム・バラード。会えない時会いたいよ……西野カナのテーマでもある、心に募る切なさを端的に描いた遠距離恋愛ソングだ。会えた時の素直に愛を伝えられないもどかしさも繊細に歌う。
13君に会いたくなるから
日本のスターゲイトことJeff Miyahara制作の6thシングル。西野カナを象徴する“会いたい”ソングの一つで、哀切度の高いエレクトロ・ポップを基盤にしながら、日野“ジーノ”賢治による華美な鍵盤アレンジで、重たい印象を払拭している。
14*Epilogue*〜LOVE one.〜
アルバム『LOVE one.』のラストを飾るエピローグ。ファンタジックな雰囲気をバックに、英語で“愛は情熱で、親切心で……そして、愛は強いもの”とポエトリーリーディング風に展開。西野カナ流の愛のメッセージを閉じこめた、約1分15秒の小品だ。