ガイドコメント
大ヒット・シングル「MOON/blossom」「crossroad」「L」を収めた、2010年12月発表の12thアルバム。クリスマス間近にリリースの本作は、タイトルどおりラヴ・ソングばかりを集めたホットな仕上がりに。
収録曲
01Love song
12thアルバムの冒頭を飾るタイトル曲は、愛のない人生なんて生きる自信ないと告げながら“そうじゃない?”と問う、いかにも小室哲哉らしい共感を呼ぶ作風だ。それほど派手さはないが、ジワジワと浸透するミディアム・チューンとなっている。
02crossroad
“まだ負けてなんかいないよ”は、突き進んできた道は間違いじゃないという誇りか。“〜かな”という句を繰り返し、不安と自信が入り交じったこれまでを自問自答するようだ。H.I.S.「QUALITA」CMソングとなった49thシングル。
03MOON
幻想的なイントロから展開するミディアム・バラード。見上げた月に祈りながら、永遠に幸せでいたいという切なる想いを語る。やや重苦しいメロディも、優しい歌唱がとまどいより希望を感じる曲風にさせている。ホンダ「ゼスト スパーク」CMソングの48thシングル。
04sending mail
シンプルなフレーズの繰り返しながらも劇的に演出してみせる小室哲哉らしさが顕著なロック・テイストのダンス・チューン。本心を告げられず、なかなかメールも送れないもどかしい心境を、情感を込めて歌い上げている。
05Last angel
50thシングルの頭文字を“L”にしたのは、ローマ数字の“L”が50を表わすことから。最後の愛を信じて迎えた朝に天使が笑ったというくだりは、彼女自身の心境を吐露したものか。ドラマティックな展開の4つ打ちアッブだ。
06insomnia
12thアルバム『Love Songs』収録の、CMJKが手掛けたインタールード。“不眠症”を表わすタイトルらしく、静けさをたたえた闇夜を想わせるピアノとストリングスに不穏さをもたらすデジタルな音色が差し込まれる。悩ましさが伝わる約2分のトラックだ。
07Like a doll
信じることもやめれば傷つくこともないというけれど、感情のない人形のような生き方は喜びもないと諭す。死んだように生きないでと君へ語りかけるが、これはトップスターとして歩んできた自身への忠告かも。穏やかな旋律とダンサブルなビートとの融合が新鮮なナンバー。
08Aria
12thアルバム『Love Songs』収録の、中野雄太が手掛けた約1分半のインタールード。抒情的小歌曲を意味するタイトルどおり、可憐さと優雅さを持ち合わせたオーケストラチックなトラックとなっている。
09blossom
実を結び、花開くのは、僕らが歩き始めた未来への一歩から。不器用ながらも揺るぎない想いを伝える、優しくやわらかい歌唱が印象的だ。ゼスプリ「ゴールドキウイ・グリーンキウイ」CMソング起用の48thシングル。
10Thank U
大切なあなたへ送る感謝のメッセージ。大空に舞うような伸びやかな“ラララ……”のコーラスが、爽やかで幸せな気分にさせてくれる。ダンサブルなビートと晴れやかなムードが絶妙に重なりあった4つ打ち系のナンバーだ。
11Sweet Season
50thシングルとなった雑誌『sweet』CMソング。槙原敬之によるハートウォームなミディアム・チューンで、乗り越えてきた季節のすべてが“Sweet Season”だと語りかける。“きらきらきら”のフックが微笑ましい。
12overture
中野雄太が作り出したのは、ファンタジーな世界観による約1分45秒のストーリー。眠れる森を抜けて青空の見える丘へ……というような壮大な展開だが、それはどの物語の“序章”なのか。12thアルバム『Love Songs』収録のインタールード。
13do it again
次第に暗闇が明るみを帯び、地平線から朝日が輝き出すような雰囲気から活力あるビートへと展開する、ストーリー性あふれるナンバー。夢を追う大切さとそれだけではやり抜けない現実との狭間の苦悩を語る。“もう一度歌うんだ”のリフレインは自身への叱咤のようで痛切だ。
14November
誰しもに運命の相手が人生には必ずいるけれど、ほとんどが気づけないのは、傷つくのを怖がるうちに過ぎ去ってしまうから。はかなくも信じたい……その想いを胸に刻むように歌う。ドラマティックなミディアム・チューンだ。
15Virgin Road
これから歩き出すから見守ってて……「CAN YOU CELEBRATE?」を手掛けた小室哲哉による、その浜崎版といえるウェディング・ソング。孤独や痛みを乗り越えてという想いが強いのか、旋律もドラマティック。ただ、エンディングは幸福感に満ちている。
16SEVEN DAYS WAR
49thシングル「crossroad」にも収録されたTM NETWORKのヒット曲のカヴァー。海外バック・ヴォーカル陣とストリングスを配した流麗で勇壮なアレンジだ。素直に生きるため闘うというのは、彼女の心からの叫びかも。歌唱も強く前向きだ。