マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン / ラヴレス [再発]

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マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン / ラヴレス [再発]
CD
ミニ・レビュー
ノイズの洪水と甘美なメロディ。この相反する要素が混ざり合い言いようもなく眩惑的で心地好いサウンド空間を作り出す。2年間の歳月をかけて作られたこのセカンドは、ハウスの方法論/エナジーを積極的に取り入れつつ静かな衝撃をも湛えた傑作となった。
チャート
  • TOWER RECORDS 新宿 アルバム総合
    5位 (2012/5/28)
  • TOWER RECORDS ロック&ポップス アルバム
    15位 (2008/3/3)
収録曲
01ONLY SHALLOW
アルバム『ラヴレス』の1曲目を飾った衝撃のナンバー。ノイジーなギター・サウンドが波打つサイケデリック・サウンドに、意識と無意識の境界も溶解寸前。様式から乖離した真正サイケ・サウンドゆえの、ディープな官能性が見事に表現されている。
02LOOMER
ゆらりと不安定な音像がもたらす不安とかすかに聞こえる歌声がもたらす恍惚が、聴き手の平衡感覚をおぼつかなくさせるフリー・フォーム・ナンバー。美メロとノイズのハーモニーが生む快楽は、何度味わっても強烈だ。
03TOUCHED
彼らが残した2枚のオリジナル・アルバム中、これが唯一となるコルム・オウキオソイグ単独での作品。1分にも満たない短いインスト曲だが、サンプラーを駆使した幽玄な音響空間にはハーモニックな魅力が広がっている。
04TO HERE KNOWS WHEN
「アルバムはいつだ?」と急かされて発表したのが、「いつだと訊く」と題した本曲。フィードバック/ドローン・サウンドが輪廻のごとく循環し、終着地のないサイケデリック空間を構築。彼方で聴こえる歌声も甘美だ。
05WHEN YOU SLEEP
音を轟かせる衝動とメロディを成立させる意思とが両立し、ノイズ・サウンドを基調としたキャッチーなギター・ポップが誕生。歌声もノイズも彼方へと飛散する曲調は、詩情はもちろん、無常観すら感じさせてくれる。
06I ONLY SAID
うねるようなノイズ・ギターが、ウォール・オブ・サウンドならぬ、ウォール・オブ・ノイズを築き上げるナンバー。ループするキーボードの旋律に撹拌された知覚が、アシッド・テイストたっぷりの幻覚を無限大に広げる。
07COME IN ALONE
テンポを落としたジャングリーなギター・ポップが、ノイズの樹海で反響しているような趣のナンバー。ドラッギーな音世界から放たれる危うい魅力に触発され、脳内麻薬の生産が急ピッチで開始。合法トリップ確約の1曲だ。
08SOMETIMES
虚しげでフォーキーな弾き語りに、反復する2種類のノイズを重ねたナンバー。甘美で悠長な曲調は、ひたすらにとりとめがなくて儚い。映画『ロスト・イン・トランスレーション』(2003年)に使われ再評価された。
09BLOWN A WISH
生と死と性が混濁した、穏やかなアシッド・フォーク・ナンバー。ともすれば音世界に埋没してしまいそうな風情の消え入る歌声は、退廃的かつ多幸感が漂っている。ひたすらノイズに心身を洗われていたい気分になる。
10WHAT YOU WANT
さまざまな形状にたわんだ轟音ギターが五感を刺激するポップ・ナンバー。楽曲を貫く循環性はどう聴いても正常ではないが、『ラヴレス』を聴き続けていると、この曲レベルならばノーマルな曲調に感じられてしまう。
11SOON
待ち望まれる新作について訊かれ、「もうすぐだ」の意を込めて発表。ビートと同調したノイズの振動が中枢神経を刺激するダンサブルなアシッド・ナンバーだ。轟音ギターが飛散し霧散する幕切れは、唐突ではあるがなんとも美しい。
アーティスト
  • マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン
    1984年、アイルランド・ダブリンで結成されたロック・バンド。愛称は“マイブラ”“MBV”。88年の『ユー・メイド・ミー・リアライズ』でブレイク。ノイジーなギター・サウンドと甘く気だるい男女ヴォーカルに加え、ディストーションによって幻想的な……
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