ガイドコメント
ポルノグラフィティの通算6枚目のアルバムとなる本作は、子供の頃に誰もが味わった楽しくて仕方ない気持ちを思い出させてくれる1枚。タイトルは「music-CABINET」を意味しており、まさに“音のおもちゃ箱”といえるファンタジックなテイストが満載だ。
収録曲
[Disc 1]
01m-NAVI1“Ride on!!Blue vehicle!”
“収録曲を4つグループに分けて、引き出しに整理する”というコンセプトで作られたアルバム『m-CABI』。このインタールード・トラックからが“乗り物コーナー”で、バイクの発進音からシームレスに次曲 「ハネウマライダー」へとつながっていく。
02ハネウマライダー
ポカリスエットCMソングとなった、夏らしく爽やかなアッパーなポップ・ロック・チューン。軽快なリズムと疾走感のあるギター、サビの心地よいメロディと独特の符割り、心境を「跳ね馬」にたとえたセンスなど潔さのある楽曲は、ポルノの真骨頂といえる。
03BLUE SKY
タイトルどおり、青空のように突き抜けたポップ・センスが爽やかな印象を残す、メロディアスなミドル・テンポのナンバー。ポルノグラフィティの持つピュアな少年性が叙情的に表現されている。
04BLUE SNOW
アルバム『m-CABI』で、「ハネウマライダー」がバイク、「BLUE SKY」がバスと続いて、この「BLUE SNOW」のモチーフは車。2004年発表シングル「シスター」のカップリング曲「天気職人」の歌詞とアウトロが登場するなど、遊び心が満載のナンバー。
05m-NAVI2“Keep on having fun with the MUSIC CABINET”
アコースティック・ギターの優しい調べが、熱くたかぶったリスナーのハートをクールダウンさせてくれる、アルバム『m-CABI』のインタールード・パート2。この25秒間のトラックから“シングル・コーナー”へと突入する。
06Winding Road
TBS系アニメ『天保異聞 妖奇士』エンディング・テーマに起用された21thシングル。イントロの憂いを帯びたクロマチック・ハーモニカの音色が切ないミディアム・バラードで、いまだに思い出にできずに別れた恋人を想い続ける男の心情を、大きなスケールで歌い上げている。
07休日
曲そのものは、2003年発表のシングル「愛が呼ぶほうへ」と同時期に完成しており、岡野昭仁が今回のアルバム『m-CABI』収録にあたって歌詞を書き加えたという作品。深い安らぎに満ちた、温かくも優しいフォーキー・チューン。
08NaNaNaサマーガール
18thシングルはトーキング・モジュレーターとシンセサイザーのイントロが印象的なサマー・チューン。思春期の男子の妄想と欲望が入り交じるひと夏の海辺の奔走を、サーフィン&ホットロッドを思わせる小気味よいリズムのロックンロールで表現している。
09DON'T CALL ME CRAZY
ダイハツ「ムーヴカスタム」CMソングに起用された、「ジョバイロ」と両A面として発表された19thシングル。グルーヴィなアップ・テンポのロック・チューンで、“STANDING IN MY WAY”と低いがなり声でささやかれる部分がとても印象的な一曲。
10ジョバイロ
TBS系ドラマ『今夜ひとりのベットで』主題歌となった19thシングル。叶わぬ恋と知りながらその想いをとどめられずにあがきあぐねる心情を描いている。切ない詞をラテン調のメロディで歌い上げる、ポルノグラフィティらしい一曲に仕上がっている。
11m-NAVI3“Ready?Silvia、Geronimo、and Lily?”
アルバム『m-CABI』のこのインタールードからは、架空のキャラクターがタイトル名に冠されたナンバーが続く“人名シリーズ”「ヒヨコ鑑定」「三重県」「分別の技」などの言葉が飛び出す、意味不明でシュールすぎる歌詞が逆にクールだ。
12月明りのシルビア
意図的に音質の劣化を表現するため、あえてカセットMTR(マルチトラックレコーダー)でレコーディングするという演出が施されたナンバー。哀しくも美しい踊り子シルビアを歌った、ハード・エッジなメタル・ロック。
13Mr.ジェロニモ
何よりも勢いを大事にしたかったため、あえてそれほどテイクを重ねなかったという、疾走感のあるロック・チューン。音楽のおもちゃ箱を引っくり返したかのようなサウンド、ファンキーなホーン・アレンジは、まさにライヴ仕様。
14横浜リリー
“横浜リリー”なる架空のキャラクターの目線で書かれた作品。女性の感情の機微を見事に捉えた歌詞、そしてそれを見事に歌い上げる岡野昭仁の艶っぽいヴォーカルに注目。インドの弦楽器シタールが効果的に使われている。
15m-NAVI4“Let's enjoy till the end”
アルバム『m-CABI』のこのインタールードからは、コンセプトのある楽曲が続く訳ではなく、メンバー曰く“最後まで楽しんでねコーナー”とのこと。「Mr.Children」「The Beatles」といったメジャー・バンドの名前が飛び出してくるのが楽しい。
16ライン
情感あふれるギターと切ないストリングスが哀愁漂うミディアム・バラード。君の特別になれないならば、想う気持ち自体を最初からなかったことにしてしまいたいと吐露する、後ろ向きな男の独白が胸を痛くする。
17グラヴィティ
元々ギター・インストゥルメンタルだった曲を、歌モノにアレンジし直したナンバー。重力のように引かれてしまう切ない恋が歌われている。曲の最後に聴こえる可愛らしい音色の楽器は、アコーディオンの一種であるメロディオン。
[Disc 2]
01NaNaNaウィンターガール