ガイドコメント
死の直前までレコーディングされていたフレディの遺作を、残された3人が4年もの歳月をかけてまとめあげた95年11月発表のアルバム。生への感謝を歌い上げるフレディのヴォーカルには、神々しさすら漂う。
収録曲
01IT'S A BEAUTIFUL DAY
フレディの死の4年後にリリースされた未発表曲。シンセサイザーを駆使したサウンドをバックに、フレディがオペラティックなヴォーカルを披露するドラマティックなバラード。2分半で終わってしまう小品だが、ここでは彼はまだ生きている。
02MADE IN HEAVEN
『Mr.バッド・ガイ』収録曲のバッキング・トラックを新たに録音し直したニュー・ヴァージョン。80年代半ばのフレディの歌声と90年代半ばの3人との共演による名曲の再演。重厚な90年代型クイーン・サウンドの中で若きフレディの瑞々しい歌声が蘇る。
03LET ME LIVE
ゴスペルにも繋がる雰囲気を持った緻密なサウンド・プロダクションが光るロック・チューン。ブライアンとジョンが交互にメインで歌ったあと、フレディとともにサビを歌う構成がかっこよい。
04MOTHER LOVE
フレディの人生を遡るタイムマシンのような曲。フレディとブライアンがヴォーカルをシェアし、過去の名場面の数々がフラッシュバックする。そして最後に僕らは赤ん坊の産声へと辿り着く。胎内回帰の歌。フレディが最後に録音した曲だと言われている。
05MY LIFE HAS BEEN SAVED
シングル「スキャンダル」B面収録曲のバッキング・トラックを録音し直したニュー・ヴァージョン。生きることの喜びも苦しみも知っている当時40歳のフレディが歌う大人の歌。「今日まで生き延びられた幸運を神に感謝する」という歌詞の一節が泣かせる。
06I WAS BORN TO LOVE YOU
以前はCM曲として、2004年はドラマ『プライド』の主題歌として、リリース以降その都度、クイーン旋風を巻き起こしてきた一曲。原曲はフレディのソロ作『ミスター・バッド・ガイ』に収録され、死後にアレンジされ甦った。
07HEAVEN FOR EVERYONE
ロジャー率いるザ・クロスのアルバムにフレディがゲスト・ヴォーカリストとして参加した曲のバッキング・トラックを新たに録り直したヴァージョン。この世界の平和を願うメッセージ・ソングを天国のフレディが歌う。シングルは全英チャート2位のヒットを記録。
08TOO MUCH LOVE WILL KILL YOU
ブライアン・メイのソロ作『バック・トゥ・ザ・ライト』にも収録。平野を進む河の流れのように穏やかで、淀みなくしみわたる美しいメロディが出色のナンバー。95年発表のこの曲は、英最高第15位。
09YOU DON'T FOOL ME
90年代型クイーン・サウンドによるR&Bソング。いわゆるブラコン調の曲。音の数の少ない隙間だらけの編曲が特徴だが、ギターの多重録音などでやや強引にクイーン化されているから、他ではあまり聴けない不思議なサウンドに仕上がっている。
10A WINTER'S TALE
夢のように美しいバラード。フレディが最後に書いた曲だと言われている。気高いまでに清らかな強さを得たフレディのヴォーカルが哀しいほど美しい。「僕は夢を見ているのか?」と歌う彼と共に、聴き手も少しだけ幸せな夢を見られるかもしれない。
11IT'S A BEAUTIFUL DAY
『メイド・イン・ヘヴン』の最後を飾る「イッツ・ア・ビューティフル・デイ」のリプライズ・ヴァージョン。初期の名曲「輝ける7つの海」のピアノが鮮やかにフラッシュバックする。CDではこの曲の後に2曲のシークレット・トラックを収録。2曲目は22分30秒の大作。