ミニ・レビュー
「七色の明日〜brand new beat」「KEY OF HEART」「Winter Love」といったヒット・シングルを含む5枚目のアルバム。本人が作詞を手がけ、両親への愛をストレートに綴った「OUR LOVE〜to my parents」など、“二十歳のBoA”がリアルに表現されている。
ガイドコメント
BoAの5thアルバム。「メリクリ」に続く冬の名バラード「Winter Love」やポップなダンス・ナンバー「七色の明日〜brand new beat〜」など、ヴァラエティ豊かなナンバーが満載。まだ20歳という年齢に、改めて驚かされる。
収録曲
01Lady Galaxy
スペイシーなサウンド・エフェクトとアッパー系R&Bトラックがひとつになった、強靭にしてシックなダンス・チューン。タイトなグルーヴを感じさせながら、セクシーなメロディをしっかり体現する、BoAのパフォーマンスは圧巻だ。
02七色の明日〜brand new beat〜
03Winter Love
04STILL.
ふくよかにして骨太、相反する要素を感じさせるリズム・アレンジ(特にキックの音が素晴らしい!)のなかで、艶やかなヴォーカルが舞い踊る。二十歳になったBoAの成長、女性としての魅力を鮮やかに伝えるR&Bチューン。
05SO REAL
締め切った部屋に閉じこもるのはやめて、リアルな自分を表現してみれば? そんなテンションを反映させたリリックには、2007年の日本にとって必要なメッセージがはっきりと感じられる。高揚感あふれるサウンド・メイク、凛としたイメージのヴォーカルも印象的。
06KEY OF HEART
アニメーション映画『森のリトル・ギャング』日本語版イメージ・ソング。勇気がこみ上げてくるメッセージが凝縮された、親しみやすいナンバーだ。夏を思わせるパワフルな爽快感がありながらも、悩みや落ち込んだ心を包む不思議な癒しも同居している。
07OUR LOVE〜to my parents〜
両親に対する“ありがとう”をテーマにした歌詞は、BoA自身の手によるもの。深い感謝の気持ちがリアルに伝わるヴォーカル、ピアノを中心としたアコースティックなアレンジメントがひとつになった、珠玉のバラード・ナンバー。
08no more make me sick
細部にまでしっかり神経が行き届き、丁寧に繊細に積み上げられた詞と曲にBoA自身が参加。ストーリー性を感じさせるメロディと“恋愛後遺症”をテーマにしたリリックが見事に一体化した、個性あふれるダンス・チューン。
09Revolution-CODE:1986-1105 (Feat.RAH-D)
ニュージャージー出身の凄腕ラッパー、RAH-Dをフィーチャーしたヒップホップ/ソウル。強靭なヴァイブレーションを響かせるラップと、しなやかなグルーヴを生み出すヴォーカルのコントラストが楽しい。“Revolution”をテーマにしたアグレッシヴなリリックもいい。
10Your Color
通算19作目の両A面シングル曲。マイクロソフト『NINETY-NINE NIGHTS』テーマ・ソングで、ゲーム音楽には珍しく“逢えない辛さ”を綴ったバラード。激しくも切ないヴォーカルに涙腺が緩みそう。
11Prayer
ドスン、ドスンと下半身を刺激するファットなトラックと軽やかなストリングスが融合。独創性にあふれたトラックを完璧に乗りこなし、快楽的なヴォーカルを描き出すBoA。シンガーとしての才能、センスに瞠目すべき一曲。
12Candle Lights
恋に落ちたばかり女の子が感じる不安や希望を、冬の情景を交えつつ歌ったミディアムR&B。切ないメロディ・ラインとBoAの伸びやかなヴォーカルがみごとに絡み合って、心の深いところにまで響いてくるナンバーだ。
13Gracious Days
生楽器を主体とした温かい手触りの音像、“優しさを 大切にして”というフレーズに象徴される、朗らかでポジティヴなソングライティング。聴く者を穏やかな気分へと引き上げるソウルフル・ポップ・チューン。とにかく、気持ちいい!
14LAST CHRISTMAS
ワム! のクリスマス定番ソングのカヴァー。きらめくポップさの中に失恋の切なさを巧みに込めた原曲の魅力を生かしつつ、BoAらしいクール&キュートな仕上がりとなった。英語詞で抜群のリズム感を見せる、「Winter Love」カップリング曲。
15Winter Love (LIVE ver.) (初回のみ収録)