ガイドコメント
前作『うれしくって抱きあうよ』以来約1年半ぶりとなる、ソロ6thアルバム。「2人のストーリー」「ひみつ」「Hello!」といったシングルに加え、CMソング「鳴いてる怪獣」など、シンプルかつ独特のポップ・センスが光る楽曲群がそろった。
収録曲
[Disc 1]
01Hello!
ピアノによる温かなイントロで幕を開ける13thシングル。人と人とのつながりをテーマにしたスケールの大きな愛を綴る。ブラスやバンジョーが絡み合い、思わずスキップをしたくなるようなピースフルな雰囲気に満ちたサウンドが心地よい。
02勇敢なヴァニラアイスクリーム
洗練されたアレンジが印象的なソニー「サイバーショット」CMソング。現状に悩みを抱えつつ、それを打破するために奮闘するハイティーンの姿を“勇敢なヴァニラアイスクリーム”というYUKIならではの言い回しで描いている。
03揺れるスカート
80年代ディスコ・サウンド全開のナンバー。“いつもより暗い東京の夜空はきれい”と震災以後の風景を恐れずに綴る姿勢にハッとさせられる。サウンドやエフェクトを施したコーラスとは対照的に、肉感的なヴォーカルが伸びやかに響いている。
04鳴いてる怪獣
ディレイを効かせたイントロの爽やかなリフや高らかに鳴り響くソロなど、ギターを前面に押し出したロック・ナンバー。“愛されたいよと大きな声で泣いてる怪獣”というフレーズが強烈な印象を残す。朝日生命CMソング。
05クライマー・クライマー
名作映画をもじったようなタイトルの“山登り”ソング。ダンサブルなビートにのせ、“ススメ私の丈夫なトレッキングシューズ”“油断してたら目の前ホワイトアウト”など、用語を織り交ぜながら登山の様子=生き方を歌う。
06マイ・プライヴェート・アイダホ
アコースティック・ギターの泥臭いフレーズを中心に、馬の蹄のような音でリズムを刻むカントリー・ウェスタン。タイトルにもあるようにアイダホに想いを馳せた歌詞を、セクシーでキュートなヴォーカルで誘うように歌い上げる。
07Wild Ladies
エッジの効いたギター・カッティングによるイントロが爽快なロック・チューン。じゃじゃ馬なふりをしながら実はあなたのことだけを待っているの、と綴る歌詞がキュート。主人公のじれる気持ちを表わすような歌唱とシャウトが印象的だ。
08ひみつ
2010年のツアー中に制作し「赤い糸」として披露され、後に歌詞をアレンジして発表された22ndシングル。ゆったりとしたテンポの壮大なサウンドをバックに、報われない恋とわかっていても“今の君が好い”と晴れやかに言い切る姿が清々しい。
092人のストーリー
同棲中のカップルを男性目線の言葉で綴った21stシングル。“待ち合わせはローソン”“銭湯の湯は熱すぎて”など、生活感にあふれるフレーズが素朴なサウンドにピッタリ。YUKIが男装、加瀬亮が女装して作られたPVも話題に。
10あの娘になりたい
“オタク系”の彼が夢中になるアニメの女の子になって彼を誘いたい……という妄想を描いたロック・ナンバー。モヤモヤとした気持ちを表わすような、ディレイをかけたクルクルと回るギターのリフが良い味付け。
11笑いとばせ
ピアノを基調にしたAOR風の洗練されたサウンドで展開するポップ・ナンバー。歌詞も東京の景色を綴ったものだが、無垢な歌声とストレートな歌唱でシティ・ポップ然とさせ過ぎずに素朴な雰囲気へとうまく落とし込んでいる。
12相思相愛
ゆったりとしたリズムと爽やかで温かいサウンドの上でYUKIの歌声が自由に踊るポップ・ナンバー。君に逢ったことで探し続けた“相思相愛の理想形”を見つけることができたよ、と幸せいっぱいに歌い上げるラヴ・ソングだ。
13集まろう for tomorrow
ピアノにスチール・ギター、ホーンにハンドクラップなどを配しておもちゃ箱のようなキュートな世界を紡ぎだしたポップ・チューン。前向きなメッセージを綴りながらもサラっと入れる風刺が嫌味っぽくならないセンスの良さはさすが。
[Disc 2]〈DVD〉〈music video〉
012人のストーリー
02ひみつ (おもわせぶり ver.)
03ひみつ (あとしらなみ ver.)